子供の頃、ラジコンで遊びながら、「これで実際の車が動かせたら楽しいだろうなあ」と夢想したことは男の子なら誰でもあるでしょう。そんな夢のようなシステムがイギリスのランドローバーから発表されました。ただ、このシステムは遊びのためのおもちゃというより、より悪路を快適に走るための実用的なシステムとして開発されています。
スマートフォンを使って、車をラジコンのように操作する!
本格的なオフロード車を運転して悪路を走行している時、大きなギャップやコブ、穴の空いた道に通りかかった時、あなたはどうやってそのギャップを通り抜けていますか?
一人で運転している時は少しずつ車を動かしながら、いちいち車から降りてギャップとボディの隙間を確認し、ボディが引っかからないように慎重に運転するしかありません。また、同乗者がいる場合も、同乗者にある程度のオフロード走行経験がないと、正確な案内や指示は期待できません。
そんな時、ドライバーが自分の目でギャップの状況を確認しながら運転できたら、こんなにやりやすい事はありませんね。それを実現しているのが、前述のイギリスのレンジローバー社が、試験的に開発しているリモートコントロールシステムです。
具体的な操作方法は
具体的には、車がギャップなどに乗り上げてしまい慎重な運転が必要な状況になると、ドライバーは同乗者を車内に残したまま一旦外に出ます。次に、ランドローバーの開発したアプリをダウンロードしたスマートフォンを取り出し、このスマートフォンで車を少しづつ動かしながらギャップを脱出します。
スマートフォンに表示された、ステアリング、スロットル、ブレーキをコントロールしながら、車を少しずつ動かしていきます。車は、急激な動きをしないように制御されていますので、この小さなスマートフォンの画面でも十分コントロールすることができます。この時、ギャップを目視で確認しながら車を動かすわけですが、右側から見えなければ左側へと、操縦者は自由に動き回りながらギャップとボディの状況を確認することができます。
ただ、ビデオを見ていると無人で動く車の中にいる同乗者はなんとなく不安そうです。まさに「まな板の上の鯉」といった表現がぴったりの状態ですね。
安全に対する配慮もバッチリ!
安全装置として、車から1m以上離れ、10m以内に操縦者がいる場合に限り作動するように制限が掛けられています。また、万が一操縦者がスマートフォンを落としてしまった時も、動作が停止するように配慮されています。また、車は急激な動きをしないように速度が制限されています。
しかし、うっかり坂道の下でコントロールしている場合、「車が滑って落ちてきたらどうするのかな?」と余計なことを考えてしまいました。秋ろーはちょっと、ボーとしたところがあるので、やっちゃいそうで怖いですねー。まあ、実用段階では何らかの安全対策が施されると思いますが。
その他の便利な機能
その他にこのシステムには、車外からコントロールしながら駐車スペースに駐車する機能や、狭い幅員の道で何度か切り返しをして自動でUターンしてくれる等の便利な機能が付いています。
特にこのUターン機能は、他社では聞いたことのない独創的な機能です。秋ろーも初心者の頃は、「何回切り返せばUターンできるのかな?」とか、「対向車が来る前にUターンできるのかな?」と心配しながらUターンしていました。当時この機能が実用化されていれば、どんなに良かっただろうと思います。