F1の総裁、バーニー・エクレストンは、F1イタリアGPの開催地として、従来のモンツァでの開催から、イモラでの開催へ変更手続きを進めていましたが、ここに来て未だにモンツァでの開催もあると言及しています。
当初、難航していたモンツァとの契約
イタリアのモンツァでの開催は、幾つかの政治的理由から困難だと見られ、その代替地としてイモラでの開催準備が進められていたのですが、イタリアのモータースポーツ運営組織クラブ・デ・イタリアの社長、アンジェロ・スティッチ・ダミアーニは、モンツァとの間にあった問題はすでに解決されていると主張しています。
クラブ・デ・イタリアは、このまま、モンツァとF1運営団体の契約が無事進めば、イモラとの契約は自動的に消滅すると言っています。
モンツァ市のあるロンバルディア州の副知事、ファブリツィオ・サラは、「モンツァでF1を開催するために年間500万ユーロの予算を計上している、我々は、モンツァGPという伝統ある行事を簡単に諦めるわけにはいかない」と言っています。
また、バーニー・エクレストンも、「ロンバルディア州の副知事、ファブリツィオ・サラは、モンツァGP開催のために最大限の努力をしてくれている」と語っています。
モンツァとF1との契約は今シーズンまで
F1の運営は、レース開催のために世界の各都市のサーキットと、数年単位で契約が結ばれることが多く、イタリアのモンツァ市との契約は今シーズンで終了する予定です。
そのためF1組織委員会は、新しい契約のために、モンツァ市と何度か話し合いの機会を設けていたのですが、何らかの政治的理由(金銭問題?)から契約に至らず、イタリアGP開催のための代替地としてイタリアのイモラ市と別の契約を進めていました。
過去イタリアでは、2つのF1GPが開催されていた
イモラ市は過去に1980年にイタリアGPを一度と、サンマリノGPの開催地として1981年から2006年までF1の開催経験があります(このサンマリノGPは、サンマリノという名前が使われていますが、実質的にはイタリアでの2番目のF1GP開催地です)。
このイモラサーキットは、危険なコースで有名なサーキットで、2006年に開催が中止された理由も、F1の各国1会場というルールの制定とは別に、このサーキットがあまりにも危険ということもありました。今は施設の老朽化も進み、そのままではF1開催地の基準を満たすことができないので、サーキット場の大規模な改修工事と安全対策が行われています。その結果、F1開催のために必要とされるFIAのライセンス「グレード1」も取得済みです。
当て馬にされた格好のイモラ市
この開催地決定までのゴタゴタは、契約を有利に進めたいというモンツァ市側の策略と、イモラ市を当て馬に使いたいというF1組織委員会との駆け引きだったような気がしますが、「F1が帰ってくる!」とぬか喜びしてしまったイモラ市関係者と市民はちょっとかわいそうですね。
ただ、もう二転三転ありそうな雰囲気なんで、このイタリアGP開催地についてはちょっと目が離せません。