今回は「新型メルセデスベンツ GLC 250 4MATIC」を試乗レポートいたします。
名前にCが付いている事からも分かる通り、このGLCはCクラスのプラットフォームを使って作られた、Cクラスの兄弟車です。
また実質的には、GLKの後継モデルという位置づけになります。
外観
高級感のある上質な外観と、メルセデスベンツらしい押し出し感のあるフロントマスクです。
またSUVにしては全高が低くスポーティな印象です。
フロントマスクの印象とは打って変わって、リアコンビランプは上品で知的かつエレガントなデザインです。
絞り込まれた小さめのリアウインドウと、どっしりしたリアのボリューム感の対比が、ダイナミックな印象を与えています。
サイドビューは、ウィンドウグラフィックスがゆるやかに弧を描くようにデザインされており、優しい雰囲気です。
通常のCクラスと違ってタイヤハウスが角張っており、どっしりとした安定感のあるアウトドアテイストを感じさせます。
少し離れて全体をみると、やさしく上品なデザインと、ダイナミックで力強いデザインがたくみに組み合わされている事に気付きます。
その結果、エレガントで押し出し感の強い、上質なスタイリングが形作られています。
内装
基本的に兄弟車のCクラスと共通の内装デザインです。
上質で使い勝手の良い、合理的なデザインの室内です。
黒一色のシックな内装ですが、ベージュ等の明るい内装の方が、このGLCのキャラクターには合っていると思います。
シートはサイズもストロークもたっぷりで、適正な硬さとコシがあります。
体圧を適度に分散してくれる上質なシートで、文句無しの仕上がりです。
リアシートの質感もフロントシートと同様に素晴らしいものです。
ホールベースが広げられた事もあって、足下空間と頭上空間と共に広々としています。
ロードノイズや風切り音もしっかり押さえ込まれており、車内はとても静かです。
エンジンとミッション
直列4気筒2Lターボエンジンと、9速ATが組み合わされます。
2016年内にプラグインハイブリッドが追加され、2017年にはディーゼルエンジンがラインナップされる予定です。
211ps/2500rpmの最大出力と、35.7kgm/1200-400rpmの最大トルクを発生します。
日常的に使うエンジン回転は3000回転以下ですから、このGLCのエンジンは非常に使いやすい特性を持っているといえます。
少々の坂道などおかまい無しに、大きな低速トルクを生かして、1.8tの重虜級ボディを軽々と加速させます。
大きな低速トルクがある事で、エンジン回転をむやみに上げる必要がありませんから、日常使用でエンジンがうなりを上げるような事は少なく、車内は静かです。
ただ急加速をしようとアクセルを踏み込みシフトダウンすると、結構がさつなエンジン音がしてちょっと萎えます。
足回りとハンドリング
前輪には4リンク式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されています。
加えて、通常時には、前輪33%、後輪67%というトルク配分の「4MATIC」という4輪駆動システムが搭載されています。
このトルク配分は路面状況に応じて、その都度、適正に可変制御されます。
「コンフォート」「エコ」「スポーツ」「スポーツ+」の4つのモードで、エンジン、ミッション、ステアリングなどの設定を統合的に制御します。
「エコ」モードでは、アイドリングストップとエアコンの運転状況なども、制御項目に加えられます。
スローなハンドリング設定ですが、GLAと違いFRベースの駆動系なので、自然でリニアなハンドリング特性を持ちます。
適度な重さがあり、スムーズで上質なステアリングフィールです。
足回りは、少々固めながら、引き締まったしなやかな身のこなしで快適です。
荒れた路面のいなし方も上質で、このあたりはAクラスと比べ物になりません。
また「Sports」グレードを選べば、さらに硬めとなる、引き締まった専用のスポーツサスが装備されます。
評価のまとめ
ブランドのプレミアム感や、デザインの押し出しの強さだけを求めるなら前輪駆動の「GLA」で十分です。
しかしメルセデスベンツの上質さやクオリティを求めている方には、やはりCクラス以上の車でなければ後悔するでしょう。
そのくらい前輪駆動のAクラスと、後輪駆動のCクラス以上とでは明らかな差があります。
メルセデスベンツの質感を持ったSUVを購入しようと考えている方には、このGLCがオススメとなります。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 4660mmX1890mmX1645mm
JC08モード燃費 | 13.4km/l
価格 | 6,280,000円(税込み)