アメリカの電気自動車会社テスラモータースは15日、日本国内向け「テスラS」に対して、自動運転を可能にするソフトウェアアップデートを発表しました。
新しく買う車だけではなく、すでに販売している車も対象になるというのがコンピュータやスマートフォンのようで面白いですね。
テスラの発表した自動運転とは
テスラの発表した自動運転の機能は主に3つです。
1.高速道路と自動車専用道路で自動運転を可能にする機能
2.ウインカー操作により自動的に車線を変更する機能
3.駐車スペースを自動で測定し、可能ならば自動で駐車する機能
テスラといい、Googleといい、こういうリスクのある新しいビジネスへの参入スピードの速さは、さすがだと思います。
日本においては、こういう安全に関わる分野では、法規制緩和が遅れがちです。
人間の命に関わることですので、ある程度は仕方ありませんが、この分野で出遅れると次の新しい産業のイニシアチブを完全に取られていまい、スマートフォンでいうアンドロイドのようになってしまわないかと心配です。
日本には資源がありませんから、将来の飯の種になるこういう分野は大切にして欲しいです。
日本の自動運転技術
自動運転技術というのは、本来は日本の得意分野の延長線上にあるものですから、今後の発展に期待したいのですが、電気製品や集積回路というかつて日本の花形産業も、今ではちょっと見る影もありません。
日本では個々の技術者は優秀なのですが、どうしても全体的に考えたり、先を見通した上で大きなシステムや戦略的な視点で考えるのが苦手のようです。
スマートフォンのアンドロイドOSや、iTunesの音楽配信、アマゾンのネット販売等を見ていると、また旨いところだけもって行かれるのではないかと不安になります。
しかし最近は日本政府も自動運転についてのロードマップを発表し、トヨタや日産などの主要メーカーも自社独自のスケジュールを公開しました。
日産は2016年に高速道路を自動運転走行する車を発売し、2018年には車線変更もできるようにすると言っています。
さらに2020年までに市街地での自動運転を可能にする車を10車種発売するそうです。
またトヨタは2020年までに、高速道路上での完全な自動運転を実現するという計画です。
特に日産の計画は意欲的で、本当に実現するのなら素晴らしいことです。
カルロス・ゴーンCEOは「コミットメント」という「時間制限と罰則つきの約束」という意味の言葉を好んで使いますが、今回のコミットメントにも期待したいです。