BMW 3シリーズ 325i セダン(E36・1992年)【旧型レポート】革新的スタイリングに上質な乗り味、まさに小さな高級車 [E-CB25]

今回の旧型レポートは「BMW 3シリーズ 325i セダン(E36・1992年)」。
1990年から2000年に渡って製造販売されていた、コンパクトな4ドアセダンです。

このセダンの他に、フル4シーターの「2ドアクーペ」がラインナップされています。「3ドアハッチバック」と「ステーションワゴン」、「カブリオレ」については、その後、順次追加される事になります。

また、1996年にはマイナーチェンジが行われ、デザインの小変更を受けています。

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外観

全長4435mmX全幅1695mmX全高1395mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2700mmとなります。

先代のノスタルジックな印象を見事に刷新した、モダンでスポーティ、若々しさのあるカッコイイスタイリングです。

先代の3シリーズは「六本木カローラ」と呼ばれるほど、バブル景気で浮かれる日本市場で大ヒットしたモデルです。そのため、当初あまりに革新的すぎたこのスタイリングは、旧来のファンに大ヒンシュクを買うことになります。

ただし、素晴らしいデザインであれば、年月を経て見慣れてくるに従い、次第にその価値が広く一般の人々にも認められるようになるものです。このE36型3シリーズもその例にもれず、数年後には先代以上の大ヒットモデルとなりました。

フロント

直線基調のがっしりとしたフロントノーズに、眼力のある角型のヘッドライトがレイアウトされます。スポーティで男らしい印象のフロントフェイスです。

サイド

短く切り詰められたフロントオーバーハングに、ロングノーズ、大きなキャビンが組み合わされ、スポーティで都会的、エレガントなサイドビューを構成しています。

当時、この3シリーズが近くを走り抜けるだけで、ハッとして振り返ったものです。それほど、革新的なスタイリングであったため、その後の自動車デザインにも大きな影響を与えています。特に日本車の場合は、このスタイリングを中途半端に真似したフォロワーが、雨後の竹の子のようにポコポコと量産され続けることになります。

リア

フロントフェンダーから生じたキャラクターラインが、リアエンドで噴出するように力強くカットされています。

力強く大胆に切り上げられたヒップライン。角型のどっしりとしたリアコンビランプと相まって、知的で洗練された男らしさを感じます。

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内装

各種操作機器がドライバーの方に集中的に向けられ、ドライバーオリエンテッドなインテリア空間です。

インパネの樹脂に高級感はありませんが、質実剛健で実用的な印象です。貧乏臭さは微塵もありません。

シート

パット見は厚みが薄く頼りないフロントシートですが、シートの背面に強固なバックシェルが装備されているため、しっかりとしたコシとストロークのある快適なシートです。加えて、適度なサイドサポートが施され長時間のドライブも快適です。

フロントシートが薄くなった事と、ホイールベースの拡大により、リアシートにも大人が座れるだけの充分なスペースが確保されています。

荷室

リアコンビランプの張り出しが大きいため、横に長さのあるものは積みにくいかもしれません。といっても、容量自体はたっぷりとしているため、家族4人で2泊3日旅行程度であれば充分可能です。

静粛性

ロードノイズ、風切音ともによく遮断されています。エンジン音も静かなため、車内に侵入してくる量は最小限です。

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エンジンとミッション

2493ccの直列6気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、192ps/5900rpmの最高出力と、25.0kgf・m/4700rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1360kg。10モード/10・15モード燃費は、–km/lとなります。

エンジン

2.5Lのストレート6で後輪を駆動します。「まるで絹のようだ」という事から「シルキー6」と評されるこのエンジンは、低速域からフラットなトルクを発揮しつつ、ウルトラスムーズで上質な回転フィールを味あわせてくれます。

トランスミッション

組み合わされるトランスミッションは、日本のトランスミッションメーカーであるJATCO製の5速AT。欧州のドライブモードに合わせてプログラミングされているため、日本ではほとんど5速ギアを使う機会がありません。スムーズかつダイレクトで気持ちの良いシフトフィールです。

足回りとハンドリング

前輪にシングル・ジョイント・スプリング・ストラット式サスペンション、後輪にはセントラル・リンク式サスペンションが装備されます。

足回り

高剛性ボディにストロークのたっぷりとしたスポーティなサスが組み合わされ、少し引き締まった印象の上質な乗り心地です。スポーティといっても、硬すぎてゴツゴツとするような事はありません。路面の段差でも、衝撃をキレイにいなします。

高速域ではビシっとした安定性を保ちつつ、フラットライドな姿勢を維持します。

ハンドリング

ステアリングセンターから、数ミリの操作に対してもリニアに反応して、ボディの向きを素直に変えていきます。スポーティで程よくキビキビとしたステアリングフィールです。

評価のまとめ

コンパクトなボディに上質な足回り、ウルトラスムーズなシルキー6が組み合わされ、まさに小さな高級車といった言葉にふさわしい珠玉の名車です。

特にそのエレガントでカッコイイスタイリングは、自動車デザインの歴史を大きく変えたほどのインパクトがあります。

「家族のために実用的な車が欲しいが、ミニバンだけはどうしても嫌」とか、「たまには、一人でゆっくりと流してドライブを楽しむこともある」、といった人にピッタリな一台です。

価格

新車当時の価格 | 5,280,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)