損害賠償額の算出方法その1(過失相殺と類型化)【交通事故の相談】

交通事故による損害賠償額の算出は、「事故によって受けた損害を補うには、どれだけのお金が必要になるのか?」という観点で計算されます。

といっても事故の損害をすべてお金に置き換えるというのは簡単ではありません。事故の損害には、お金で換算できるものばかりではなく、苦痛や悲しみといった目に見えない損害も含むからです。

例えば事故により被害者が死亡した場合、被害者の年齢や職業、地位によって損害の額は大きく変わります。加えて、家族が心に負った傷をお金という数字に置き換えるというのも、人それぞれの心の問題が関わるだけに容易く数字に置き換えれるものではありません。

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被害者に過失がある場合は「過失相殺」が適用される

交通事故はそのケースによって状況も千差万別です。加害者が支払い能力の乏しい学生のこともあれば、裕福な資産家といったこともあります。

加害者ばかりに100%の責任があるというケースはまれで、多くの場合、被害者にもなんらかの過失があります。損害賠償額を算出する時には、この被害者の過失分を損害賠償額から差し引き加害者が支払う損害額が決められます。このように被害者の過失分を差し引くことを「過失相殺」と呼びます。

これは自賠責保険の場合も同様で、被害者に常識の範囲を大きく超える過失がある場合、支払われる保険金が減額されることがあります。

障害補償の場合は2割の減額が行われ、死亡や後遺症の場合はその過失内容に応じて「2割」「3割」「5割」の減額が行われます。

過失相殺の割合を決めるには、過去の裁判事例を参考に、なるべく状況の近い事例と照らし合わせて決定されます。

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判例ごとに大きなバラツキが生じないよう、過去の裁判事例を参考に賠償額が決められる

損害賠償額を決めるには、まず当事者の間で話し合いが行われます。ここで話し合いがまとまらなければ、最終的には裁判で賠償額が決定される事になります。

ただし高度な訓練と教育を受けているとはいえ、裁判官も生身の人間です。毎日発生する様々な事故の状況によって、判決にある程度のバラツキが生まれるにのは仕方ありません。

ただし、膨大な数の事故があるという事は、その事故を大まかに分類して類型化する事ができます。

このパターン化された事故の判例を元に、次に同じような状況の事故が起きた時には、損害賠償額も同じくらいになるように標準化することができます。

これは算定の難しい慰謝料の場合も同じで、事故の状況によって類型化する事によって、おおまかな慰謝料の額を算出することができます。

交通事故が起きた時、自分の加入する保険会社に連絡すると、相手の保険会社と話し合い損害賠償額が決定されます。この時も、過去の判例を元に類型化した「おおよその損害賠償額」が参考にされています。

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クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

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修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)