車を運転している時、前の車が妙にふらついているので「おかしいなあ」と思って見てみると、車内でカップルがイチャついていたなんてことがあります。
もしも万が一このような状態が原因で、交通事故が起きた場合、事故の責任は誰にあるのでしょうか?
同乗者の行為が原因で交通事故が起きた時、ドライバーと同じく同乗者にも「共同不法行為者」として事故の責任が問われることになります。
同乗者が突然ドライバーの体を拘束したり、視界を妨げたりといった事があれば、どんなにドライバーが安全運転に注意していたとしても、まともに運転することは不可能だからです。
同乗者に責任が問われる場合は、直接的な妨害に限られる
ただし、同乗者に責任が問われる場合は、ステアリングに直接触れるとか、ドライバーの体を拘束するといった直接的な行為に限られます。
同乗者が大声を出すとか、ドライバーを煽って怒らせるといった場合は、同乗者に責任を問うことは難しいでしょう。子供が車内で暴れていた場合も同様です。
というのも、ドライバーには同乗者を含めて車全体の安全を管理する義務があります。例えば、同乗者が逆上して運転に集中できないといった状況では、同乗者を静止するか、もしくは路肩に停めてなだめるか、それが駄目ならどこか適当なところで降りてもらうしかありません。
例えば、車の調子が悪くこのまま継続して走行していればいずれ交通事故を起こしていまうとった場合、ドライバーは躊躇なく路肩に車を停めてJAFやディーラーに救助を求めると思います。
これと同じく、同乗者が原因で正常な運行が不可能な場合も、ドライバーは適当な路肩などに退避して正常な運行を回復させる義務があるのです。
同乗者の降車時もドライバーに安全確認の義務がある
また、これとは違った状況として、同乗者が後方の安全確認をせずドアを開けたことが原因で、ドアとオートバイが接触して事故を起こした時はどうでしょう。
実はこの場合もドライバーに「安全確認義務」があり、同乗者が責任を問われることはありません。
もちろんドライバーが被害者に損害賠償を支払った後、個人的に同乗者と話し合って損害賠償を負担し合うといったことは可能です。
ただ、あくまでも法律上の責任はドライバーにあります。同乗者が「私に責任はない!」と言い張ればどうしようもありません。
そのため、車から同乗者を降ろす時には必ず「後ろを良く見てね」といった一言を添え、ドイライバー自身も後方の安全を確認する必要があります。
また、子供を後部座席に乗せている時には、「チャイルドロック」などを積極的に活用して車の安全管理をしっかりと行ってください。