交通事故の被害者が幼児の場合、損害賠償の請求は誰が行うのでしょうか?
成人の場合はその本人が損害賠償の請求を行いますが、幼児にはまだこのような法律手続きは不可能ですし、自分の権利を主張する判断力もありません。そのため、実際の損害賠償請求はその保護者である両親が行うことになります。つまり、親が法定代理人となってこの幼児の代わりに、加害者に対して損害賠償を請求するわけです。
目次
- 幼児が死亡した場合は
- 幼児が過失を問われる事もある
- 子供を巻き込んだ事故が増えている
幼児が死亡した場合は
また、幼児が事故により死亡した場合はどうなるのでしょうか?成人の場合はその「遺産相続権」と同時に相続人に「損害賠償請求権」も移行されます。
遺産相続権は、まず配偶者や子供に与えられますが、幼児の場合には配偶者や子供が存在しないため、親権者である親にこの権利が与えられます。両親がいない場合は、兄弟姉妹が遺産相続人となります。そのため、この遺産相続人に損害賠償権も同時に移行されるため、両親が加害者に対して損害賠償を請求することになります。
幼児が過失を問われる事もある
幼児が事故にあった時に大きな問題となるのが、被害者である幼児の過失責任です。
幼児が車に同乗していた場合や、歩道に区分された部分を普通に歩いている時に、車が突然突っ込んで事故に遭った場合は幼児に過失はありません。
ただし、車の方が交通法規を守って走行している時に、突然幼児が路上に飛び出して事故に遭った場合や、子供が車の下に入り込んで遊んでいた場合などは別です。
幼児に「過失責任」や、保護者である両親に「監督不行き届き」が問われて、大きく損害賠償額を減額される可能性があります。
また、一旦停止を無視して突っ込んできた車に幼児が同乗していた場合などは、幼児に過失はありませんが、その車を運転していたドライバーに事故の責任が問われる事になります。
子供を巻き込んだ事故が増えている
また、近年は子供を巻き込む事故の割合が増えています。
子供の事故と聞いて真っ先に思い浮かべるのは「突然の飛び出しによる事故」だと思いますが、実際には親の車に同乗していて事故に遭う割合の方が多くなっています。
そのため、突然の飛び出しに対する注意・教育は当然の事として、親の車に同乗している時の事故を防ぐため、あなた自身が安全運転に十分気をつける必要があります。
また、万が一交通事故に遭ってしまった時のために、普段から年齢に応じた「ベビーシート」や「チャイルドシート」をしっかりと装着するように習慣づけておく事も大切です。