補機ベルトとは、エンジンから直接駆動力を取り出し、エンジン補機(エアコン、オルタネーター、パワーステアリング、ウォーターポンプ、エアコンプレッサーなど)を駆動させるための重要なパーツです。
補機ベルトの点検は、自分で行える点検のうちでも重要な項目ですので、しっかり点検してください。
ただ点検自体は簡単で、ベルトを直接指で押して張り具合を確認するだけです。
ベルトの張りが弱ければ、ベルトが滑って補機類に十分な駆動力が伝わりません。またベルトの張りが強すぎれば、補機類を痛めてしまう事もあります。
そのため点検でベルトの張りに不具合が見つかれば、適正な張り具合に調整する必要があります。この調整も知識があれば簡単に行う事ができます。
エンジン補機ベルトのチェックと調整の手順
ベルトを指で押してチェックする
補機ベルトはエンジンの前面に集中してレイアウトされています。オルタネーターとウォーターポンプ用、パワステポンプとエアコンプレッサー用と2本で駆動しているものや、最近では全部を1本で駆動しているものなど様々です。詳しくは自分の車の取り扱い説明書をご覧ください。
ベルトの位置を確認したら、直接指で押して張り具合を確認します。プーリの間を10kgの力で押してみて、1cm程度たわめば適正値です。
パワステとエアコン用ベルトを調整
まず2本のベルトの内、パワステ用コンプレッサーとエアコンを駆動している補機ベルトを調整します。パワステポンプを固定している2つのボルトの内、エンジン側のボルトを緩めます。
次にアジャスターを留めているロックナットを緩めます。その後、アジャスターを締め付けて調整します。右に回せばベルトの張りが強くなり、逆に回せば緩くなるので、自分の指で時々押して確認しながら適正な張り具合に調整してください。
調整が完了したら、ロックボルトを締め込み固定し、パワステポンプのエンジン側のボルトも締め込んで固定します。
オルタネーターとウォーターポンプ用ベルトを調整
オルタネーターを固定している2つのボルトの内、エンジン側のボルトを緩めます。
次にオルタネーターのアジャスターのロックボルトを緩めます。それから、1本目のベルトと同じようにアジャスターを締め付けて張りを調整します。ベルトの調整が終了したら、アジャスターのロックボルトを締め付け、オルタネーターを固定しているエンジン側のボルトも締め付けて終了です。
ベルトからキュルキュルと異音がする場合
基本的にベルトが劣化してキュルキュルと異音がする場合は、ベルトの寿命ですので新しいベルトに交換してください。
まれに、新しいベルトなのになぜか異音がするという事があります。この場合は、自動車の細かい組付け精度や設計上の問題が考えられます。クレームで調整してもらえればいいのですが、「こんなもんだよ」と取り合ってもらえない事もあります。こんな時は、ベルトの鳴き止め専用ケミカル用品を使う事で、簡単に異音を解消する事ができます。このケミカル用品は、カーショップなどで販売されています。