個人事業主や資産家の中には、なんとかして支払う税金を少なくしようと、あの手この手で節税対策をする人が多いです。
といってもこれはあくまでも「節税」ですから、国民に認められた正統な権利です。やりすぎたからといって罰せられる心配はありません。
これに対して「脱税」とは、法律を犯して税金を少なくしようとする行為であり、ただの犯罪です。金額や悪質さによっては、起訴される事もあります。そうなると前科が付くだけでなく、実刑が科されることになります。
バブル経済華やかなりし頃、脱税行為も大規模に横行していた
1990年当時の日本はバブル経済まっさかりで、個人の所得も大きく伸びていました。給与などしっかりと所得を把握されている人は別にして、株の売買や土地の転売で大金を手にしていた人の中には、違法な脱税行為に手を染めるものもいました。
株を大量に隠し持っていたり、MMCに架空口座を作って大金を隠したり、一時払いの養老保険を大量に買い付けて所得を低く見せかけたりと、その手口は様々です。
高級車を買い漁って、収入を少なく見せる
こんな中、自動車を使った新手の脱税手段が編み出されています。
その手口とは、高級車やスーパーカーなど高額な車を買いあさり、所得を少なく見せるというモノです。
その他には、ビンテージカーやクラシックカーなど、高額な自動車なら種類は問いません。中には当時高い人気を誇っていた、国産スポーツカーの「ホンダNSX」もあったそうです。
もちろん、高級外車であっても正統な手段を経て、経費として認められれば、税金を合法的に減らす事が可能です。ただし、高級車を使って節税するためには、その車がどうしても仕事に必要だということを立証する必要があります。そのため、普通の仕事なら、スーパーカーやビンテージカーが「必要経費」と認められる可能性は少ないでしょう。
車のトランクは、お金の隠し場所として大人気
その他の自動車を使った脱税方法として、「トランクにお金を隠す」という手口も人気です。
具体的には、シートとトランクの間にスペースを作り、そこに現金を隠すというシンプルなものです。
ただしこの手口については、税務署の担当官もよく知っており、成功する可能性は殆ど無いという事です。成功の可能性が殆ど無いにも関わらず、この場所を使って脱税する人が多いという事は、車のトランクには人間が何故か物を隠したくなる、何か根源的な魅力があるのかもしれませんね。