エンジンは、燃料と空気の混合気を吸い込み、ピストンによって圧縮、プラグが点火して爆発的な燃焼を起こし、その後、排気ガスを排出します。この一連のサイクルを繰り返すことによって、車を動かすための大きなエネルギーを作り出しています。
そのため、エンジンを効率よく動かすには、エンジンの動きと、吸排気バルブの動きを適切に制御してやる事が必要です。
タイミングベルトとは、エンジンの動力軸から取り出した動力を、カムシャフトへと伝えることによって、この吸排気バルブの動きを適切に制御する働きを担います。
タイミングベルトが切れると?
つまりこのタイミングベルトが切れてしまうと、エンジンが動かないだけでなく、場合によってはエンジンが大きく破損してしまう事もあります(エンジンを載せ替える場合、数十万円の出費を覚悟しなければなりません)。
このタイミングベルトの材質は、コッグドベルトと呼ばれる強靭なゴムのベルトがほとんどです。ただし、最近は、より強度のある金属製のタイミングベルトも増えています(金属製ベルトの場合は交換不要です)。
ゴム製のタイミングベルトは、10万キロ前後の耐久性が持たせてありますが、これはドライバーの乗り方によって大きく変わります。乱暴な運転やスポーツドライビングを日常的に行っている人の場合は、8万キロ前後で切れる事もあります。
メーカーによっては、シビアコンディションの車は、5万キロで交換を推奨しているところもあります。
秋ろーが最初に買った車は、別に乱暴に乗っていた訳ではありませんが、8万キロほどで切れてしまいました(※ただし、この車はタイミングベルトが切れやすいという噂のあった車です)。
タイミングベルトが切れた時の症状
タイミングベルトが切れると、急にトルク感が無くなり、すーっとそのまま自然に減速して動かなくなってしまいます。
秋ろーが運転していた時は、アクセルを踏んで加速している途中でした。多くの場合、このようにアクセルを強く踏み込んだ時とか、急激にエンジンブレーキを掛けた時など、エンジンに高い負荷が掛けられた時にタイミングベルトが切れるようです。
タイミングベルトの交換時期
多くの車は、メーカーによってタイミングベルトに「10万キロ保証」が付けられています。ただし、これには「5年未満に限る」などの付帯条件がありますので、気になる人は一度保証書を確認しておいてください。
「8万キロなら切れても保証があるから良いや」と安易に考えていると、知らない内に5年の保証期間を経過してしまい、自費で修理を余儀なくされます(秋ろーの最初の車もこのパターンでした)。
ディーラーには、格安で定期点検を行うサービスメニューや、「感謝デー」のような時期を指定して安く点検を行う日が設定されています。古くなってきた車は、こういったお得なメニューを活用して小まめに点検しておきましょう。
タイミングベルトの交換費用
交換費用は車種により異なりますが、国産普通車(ディーラー作業)で大体10万円前後となることが多いようです。
※参考:アコードで7万前後(部品代と工賃込)レガシィで11万前後(部品代と工賃込)。
中古車を買う時の注意点
中古車を買う場合は、前のオーナーがどういった使い方をしていたのか分かりません。8万キロ以上の車を買う時は、整備記録などでタイミングベルトが交換されているかどうか、しっかりと確認しておきましょう。
特にマニュアル車やスポーティな車は、乱暴な扱いを受けている可能性が高いです。8万キロ以上でタイミングベルトの交換が確認できない場合は、避けたほうが無難でしょう。