ポルシェといえば紛うことなき純粋なスポーツカー・メーカーとして、世界にその名を馳せているスポーツカーの名門です。
最近は時代の変化に合わせてプレミアムSUVの「カイエン」や、「マカン」を発売し大きな成功を収めています。
この成功に触発を受けた他社からも、次々とプレミアムSUVの開発が伝えられ、プレミアムSUVという新しい市場を作り出しています。
ただし、SUVといってもポルシェとしての走りの質感やキャラクターはしっかりと守られており、ユーザーの期待を裏切る事はありません。
これに対して今回ご紹介するポルシェベースのピックアップ・トラックは、1990年代、ポルシェ944をベースに有名な改造ショップ「ケーニッヒ」が手がけた1点もののカスタムカーで、ポルシェ本来のスポーツ性などは完全に無視されています。
※画像は普通のポルシェ911です。
優れたカスタマイズ能力を持つ改造ショップ「ケーニッヒ」
この改造ショップ「ケーニッヒ」は、優れたカスタマイズ技術を駆使して、世界中のお金持ちから寄せられる無理難題を見事にカスタマイズカーに落とし込んでみせる一流の改造ショップです。
この他にもメルセデス・ベンツや、ロールス・ロイスなど、注文があればどんな高級車からでもカスタマイズカーを作ることができます。
なぜ、わざわざ運動性能の優れたスポーツカーを、鈍重なピックアップ・トラックに仕立て直しているかというと、単に税制上の優遇措置が受けられるからという単純な理由だそうです。
しかし、ベース車両が一千万円以上もするようなスポーツカーを使って、さらに膨大な改造費用を使ってまで、なぜ僅かな税金を節約する必要があるのか、しかも元のスポーツカーからは似ても似つかない鈍重なピックアップトラックにしてまで、と疑問は尽きません。
ただの金持ちの道楽といった方が分かりやすいような気がしますね。
高級車はブランドを大切にする
ポルシェのような高級スポーツカーメーカーは、そのブランドを育てるために膨大な時間とコストが掛けられています。そのため、こういったイメージを壊すようなカスタマイズには、通常いい顔をするものではありません。
以前この「ケーニッヒ」が、アラブの富豪から受注した7人乗りのリムジンは、BMW7シリーズをベースとしていたのですが、あまりにも元のイメージを壊しすぎているという事で、BMW本社からエンブレムを取り外すようにという指示を受けたことがあります。
このポルシェのピックアップ・トラックに、木材や工具などを積み込んで走られた日には、長年のポルシェブランドもあっという間に陳腐化していまう可能性があります。
現在のケーニッヒ
現在、ケーニッヒのホームページを見ると、このようなトンデモ車の情報は見られません。中国の富豪とケーニッヒのコラボレーションで、びっくりするような奇抜な車が作られているかもと期待したのですが、ごく一般的なカスタムパーツのカタログが並ぶだけです。
ひょっとしたら、特別なお金持ちのためだけに専用の窓口があるのかもしれません。あなたがお金持ちなら一度連絡してみてはいかがでしょうか?