東南アジアの国「タイ」といえば、「微笑みの国」と呼ばれ、仏教の国として手を合わせてする挨拶が印象的な美しい国です。
一昔前まではオートバイの需要が高く、ニュース映像でもタイのイメージとして「オートバイでの通勤風景」がよく使われていました。
ところが、ここ最近はその風景も急激な経済成長により様変わりしており、バンコク市内には数多くの自動車が走り回っています。
バンコクにある中古車部品販売店街
そんなタイの首都バンコクにあるシェンコン地区では、大量に増えた自動車のために部品を販売する中古部品販売店が軒を並べています。
この地区では、エンジン、トランスミッション、サスペンションなどナンバープレート以外の様々なパーツを買うことが出来ます。
特に日本製の中古部品を扱う店が多く、ある店のマネージャーは、「たまには台湾や中国から新品のエンジンが入荷されることもあるけど、品質でいったら日本製の中古エンジンのほうが上だよ」と言っています。
利幅の大きい中古エンジン販売
ガソリンエンジンの場合、1機1万円で買い付け3万円で販売しています。平均的なお店であれば1ヶ月に100機売ることもめずらしくないそうですから、月あたりの利益は200万円ほどとなります。
日本からの買い付けをどうしているのかと不思議になりますが、日本の代理業者を使うことはなく、買い付けから船積みまで全て自社の店員によって行われているそうです。
店員は2ヶ月ほど日本に渡りアパート住まいをしながら、日本の中古車業者と直接交渉をして中古部品の買い付けを行います。
中には日本語の出来ない店員もいるのですが、身振り手振りでなんとか買い付けにこぎつけるという事ですから、我々日本人とはバイタリティが違いますね。
日本の代理店を使えばスムーズに交渉がまとまるのは分かっていいるのですが、人件費を考えた場合、どうしても自社の店員で交渉したほうがコストを安く抑えることができるという事です。
中古パーツはあの「トゥクトゥク」に使われることも
こうして輸入された中古パーツは、バンコク市内を走っているタクシー「トゥクトゥク」に装備されたり、中古車の修理パーツとして再生されたりして使われます。一度組み付ければ、2、3年は平気で持つのが日本車の良いところだそうです。
現在のタイは、自動車産業の急激な発達によって様々な国の車が走っています。もちろんこの中には数多くの日本車も含まれます。
そのため、中古部品を使って安く修理したいという需要は高く、結構いい商売になっているという事です。