中古車市場には時としてびっくりするような車が出品される事があります。今回ご紹介するのはそんな珍しい中古車のお話です。
その珍しい中古車が出品されたのは、千葉県船橋市にある小さな中古車販売業者です。製造されたのは1959年ですから立派なクラシックカーといえますが、驚くのはその用途で、なんと消防車として使われていたそうです。
元々は消防団で使われていた本物の消防車
当初は船橋市の消防団で使われていたものが、その後八千代市の工場に買い取られ、長年工場内の消防車として使われていました。
情緒あふれるボンネットタイプ
小さなボンネットタイプのボディに、クラシックなサイレンが取り付けられ、古き良き時代の趣をたっぷりと残す情緒あふれる外観が心を和ませます。
売り出しにあたっては、しっかりとレストアが施され、エンジンは完全に新しいものに交換されているそうです。
また、値段についてもしゃれが利いており、消防署の電話番号「119」にちなんで、119万円の値付けとなっています。
車検上は緊急車両となる
ただ、工場で使われていたとはいえ元は正式な消防車ですから、今でも車検上は「緊急車両」という位置づけです。そのため、普通の人がこの車を買って、そのまま通勤や買い物レジャーに使うことはできません。
このままの状態で使うのなら、消防車として企業や消防団が使うか、ディスプレイ用としてそのままショッピングモールや遊園地に置いておくしかありません。
車検を取り直せば乗用車として使える
もちろん、サイレンや補機類を取り除き、普通の車両のような装備を整えて、新しく車検を取り直せば普通の車として乗る事ができます。ただ、その場合は、せっかくの消防車という特徴が消えてしまいますので、わざわざ買う意味も薄れてしまいますが。
理想的なクラシックカー第二の人生
このクラシックカーの再利用ですが、実は岡山県の高梁市にも同じような話があります。こちらは、消防車ではなく、クラシックなボンネットバスです。
そのボンネットバスは、広島県福山市の「福山自動車時計博物館」が所蔵していた「トヨタDB100(1967年式)」というクラシックバスです。何度か高梁市の観光イベントに貸し出された事をきっかけに、2012年には岡山県高梁市に譲渡され、その後同市の観光の目玉として第二の人生を送っています。
このボンネットバスの場合は中古車販売ではありませんが、クラシックカーの理想的な第二の人生として大いに参考になるケースですね。