サイドブレーキは、車を駐車する時に確実に車を固定、および停止させるための重要なパーツです。
また、マニュアル車やクリープ力の弱いオートマチック車が坂道発進をする時には、後ろにズルズルと下がらないようにして発進を助けるという役割もあります。
そのため、普段からしっかりとした点検を行い、いつでも確実に機能が発揮できるように、調整をしておく必要があります。
サイドブレーキの仕組みは、センターコンソール横のサイドレバーや、ダッシュボード下のレバー、または足踏み式のペダルを操作することで、ブレーキワイヤーを引っ張り、後輪のドラムブレーキやディスクブレーキを作動させるという構造です。
そのため、主な点検箇所は、このブレーキワイヤーの伸びしろを確認することです。ただ、このブレーキワイヤーが確実に調整されていたとしても、直接制動力を生み出すブレーキに不具合がある場合は、サイドブレーキはその機能を十分に発揮することができません。
ただこのブレーキ本体の点検は、専門知識と技術が必要になる高度な作業です。ブレーキ本体部分の点検は自分で行わず、プロの整備士に頼んで定期的に受けるようにしてください。
サイドブレーキのカバーを取る
まず、サイドブレーキのプラスチックカバーを取ります。ネジや簡単なクリップで固定されていますので、ドライバーでネジを緩めてから、カバーを外してください。ネジは、プラスチック製の隠し蓋などで覆われている場合もあります。その場合は、隠しぶたをクリップをこじ開けるための専用工具か、マイナスドライバーに柔らかい布を巻きつけて、プラスチックに傷をつけないように注意しながら外します。
ブレーキワイヤーの長さを調整する
カバーを外すと、ブレーキワイヤーを調整するための、細長い調整用ナットが露出します。サイドブレーキを下まで下げると調整しやすくなりますが、その際は、車の制動力が失われますので、「ウマ」などの輪留を使ってあらかじめ車を固定しておきます。
次にスパナを使って、この調整用ナットを少しずつ締め付けていきます。時折、サイドレバーを引いてみながら、締まり具合を確認してください。
レバーには、「カチッ、カチッ」と引き上げる度に作動するノッチが付いています。このノッチが「9つ」作動するくらいに調整すると、一番サイドブレーキが引きやすい長さに調整することができます。後は、自分の好みもありますので、自分のやりやすい長さに微調整してください。
サイドブレーキのカバーを元に戻す
最後にサイドブレーキのカバーを元に戻して、作業は終了です。タイヤに「ウマ」がかましてある場合は、忘れずに外して片付けてください。