エンジンオイルは、エンジン内部の機械同士がこすれ合う時、間に入ってスムーズに稼動するように潤滑剤としてはたらきます。
このエンジンオイルが不足したり、劣化して粘度が落ちてしまうと、潤滑剤としての働きができなくなり、エンジンはすぐに故障してしまいます。そうならないよう、定期的な点検と交換が必要です。
エンジンオイルは、通常の使用であれば10000kmごとの交換で十分ですが、坂道や重い荷物を乗せて走るなど、エンジンに付加の掛かる使用をしている人は5000kmごとの交換が望ましいです。また、近所の買い物だけであまり距離を乗らない人は、半年か1年ごとの交換が必要です。
エンジンオイルの交換の手順
エンジンオイルを抜く
自動車を平な硬い場所に停車したら、エンジンを暖めた後、ジャッキでボディの片側を持ち上げます。この時、ボディの下に金属製の「馬(リジッドラック)」を挟み込んでおくと、万が一ジャッキが外れた場合でも安心です。
次に、エンジン下部のオイルパン下に廃オイル受けを置き、オイルパン下にあるドレンボルトをメガネレンチで緩めます。ある程度ドレンボルトが緩んだら後は手で緩めてください。ドレインボルトが緩むと、オイルが勢い良く流れ出てきます。エンジンを停止したばかりの時は、エンジンオイルが熱い場合がありますので注意が必要です。
フィルターの交換
オイルフィルターを交換する場合は、フィルターソケットという工具を使います。フィルターに合った径のフィルターソケットをフィルターにかぶせ、ラチェットレンチを装着すれば左に回すことで簡単に外すことができます。ある程度フィルターが緩んだら後は自分の手で回して外します。フィルターが外れるとオイルが多少漏れますので、予めウェスを引いておくとスムーズに作業が進められます。
新しいフィルターは、底面のフィルムを外して、古いフィルターのあった穴に両手でしっかりとねじ込みます。周りにオイルが付着している場合は奇麗に拭き取っておきます。
ドレンボルトを締め付ける
フィルター交換が終了したら、再びエンジン下部のオイルパンの作業に戻ります。オイルを抜き取る際に外したドレンボルトのオイルを奇麗に拭き取り、元のオイルパン下の穴にしっかりと締め付けてください。これでエンジン下部の作業は終了です。
新しいオイルを注入する
最後に、エンジン上部のオイル注入口から、じょうろを使ってオイルを注ぎます。ある程度注入したら、量を確認しながら小まめに少しずつ継ぎ足していきます。規定量までオイルを注入し終わったら、エンジンを始動させてオイルをエンジン全体に行き渡らせます。最後にもう一度、規定のオイル量になっているかチェックして、間違えがなければ終了です。
廃オイルの処分
ディラーやガソリンスタンドでは、廃オイルを産業廃棄物として一度に処理していますが、一般の個人では廃オイルの捨て場所になかなか適切な場所がありません。
そんな時に便利なのが、ホームセンターやカーショップで販売している「廃油処理箱」や「廃油処理オイルパック」と呼ばれる商品です。
これは、廃オイル受けとしても使える優れもので、廃オイルを染み込ませて固める事で、自治体の燃えるゴミの日に出せるようにするものです。ただし、自治体によっては燃えるゴミとして受け付けてくれない所もありますので、使用する前に予め確認が必要です。