2代目 フィアット プント ELX スピードギア(2000年)【旧型レポート】美しいスタイリングと、穏やかで楽しい走り [GF-188A5]

今回の旧型レポートは「2代目 フィアット プント ELX スピードギア(2000年)」。
1999年にフルモデルチェンジした、コンパクトな5ドア・ハッチバックです。日本市場では2000年から2006年まで販売されていました。

2006年には、フェイスリフトを含むビッグマイナーチェンジが行われていますが、大きなヘッドライトとダミーグリルの装備により、個性が薄まってしまいました。

このプントは、フィアットの経営を根幹から支える重要なモデル。欧州では、プジョー206やVWポロ、ルノー・クリオなどと並んで代表的なコンパクトカーのひとつです。

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外観

全長3835mmX全幅1660mmX全高1480mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2460mmとなります。

コンパクトなボディサイズでありながら、巧みな面構成を駆使して、塊感のある美しいボディを構築しています。

フロント

滑らかな面で構成されたフロントノーズに、薄型ヘッドライトが装備されます。ヘッドライトの中にはブラックベゼルが施され、精悍な印象を際立たせています。

グリルレスとすることで、ちょっとふてぶてしい毒気を感じさせ、可愛らしさだけで終わらない大人の魅力があります。

サイド

サイドのラインには、微妙なうねりが加えられ、単調で味気ないデザインになる事を巧みに回避しています。極太のCピラー(前から3番目の柱)が組み合わされ、塊感のある力強いサイドビューです。

リア

このCピラーを後ろ斜めから見ると、縦型のリアコンビランプがセンスよくはめ込まれています。リア周りにもうねりのあるラインが巧みに交差しており、ひとクラス上の上質感を感じさせます。

20年近く経過した現在でも、このスタイリングにかなう車は少ないでしょう。

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内装

コンパクトなボディスタイルながら、パッケージングが巧みなため、室内には大人4人が充分に座れるスペースが確保されています。

樹脂の質感をそのまま活かした簡素なインテリアデザインですが、機能が良く整理されており、デザインの趣味も良いため、安っぽい印象は全くありません。

シート

表面にざっくりとした感触のある、肌触りの良いフロントシートです。当たりは柔らかですが、体重を掛ける事でシッカリと身体を支えます。長距離運転も苦にならない快適なシートです。

リアシートには、しっかりと3人分のヘッドレストが装備されます。シートクッションにも適度な厚みとコシがあり、座り心地も快適です。

荷室

コンパクトカーとしては、充分な容量が確保されています。家族4人で1泊2日旅行程度であれば、難なくこなせます。また、リアシートのシートバックを7:3で倒すことで、さらに荷室容量を拡大することができます。

静粛性

トランスミッションからのノイズが大幅に低減され、クラス標準の静粛性を手に入れました。

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エンジンとミッション

1241ccの直列4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、80ps/5000rpmの最高出力と、11.6kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1060kg。10モード/10・15モード燃費は、–km/lとなります。

エンジン

1.2Lのツインカムエンジンで前輪を駆動します。やや高回転型のエンジンながらトランスミッションの効率が良いため、市街地など日常領域で不足を感じることはありません。

標準グレードで物足りない人には、スポーツグレードの「プント HGT アバルト」をオススメします。このスポーツグレードには、1.7Lのツインカムエンジンと、マニュアル・トランスミッションが組み合わされ、キビキビとしたスポーティな走りを楽しむことができます。

トランスミッション

富士重工業製のCVTが装備され、先代に比べってぐっと自然でスムーズな制御が可能になりました。

このCVTはセレクターを横に倒す事で擬似的なマニュアルシフトが可能です。カーブの続くワインディングや坂道でも、このシフトを使ってエンジン回転を高めに保てば、結構活発に走ることができます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。

足回り

しなやかで快適な乗り心地です。後輪の接地性も高く、直進安定性も申し分ありません。路面の段差でも、しっかりと不快な振動を遮断します。

ハンドリング

緩やかなロールを伴って自然にコーナーをクリアします。ステアリングスピードはスローですが、ダイレクトにボディが反応するため、運転する楽しさは失われていません。

ただ、エンジン周りに余裕が無いのか、コンパクトなボディの割に最小回転半径は大きめです。

評価のまとめ

このサイズの欧州車は市場規模が桁違いに大きいため、たっぷりとコストと時間が掛けられており、日本車が太刀打ちするのは容易ではありません。

その中でもこの「2代目フィアット・プント」は、初代以上にカッコいいボディと、スムーズなトランスミッションに高回転型の活発なエンジン、実用的な室内スペースを持った傑作車です。

「車の運転が何よりも好きで、カッコいいおしゃれな欧州車を探している」とか、「普段は通勤や通学、買い物に使う予定だが、日曜日には荷物や人を積んで長距離ドライブにも出かけたい」という人にピッタリな一台です。

価格

新車当時の価格 | 1,570,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)