シトロエン シャンソン V-SX【旧型レポート】シトロエンらしさは希薄だが、フランス車らしい小粋な外観と走りが味わえる [E-S8NF]

今回の旧型レポートは「シトロエン シャンソン V-SX」。
1996年から2003年に渡って製造販売されていた、コンパクトな5ドアハッチバックです。日本市場へは1997年から導入されています。

日本では発売当初「シャンソン」の名前で売り出されていましたが、1999年からはフランス本国と同じ「サクソ」名に変更されています。

同時に、160馬力を発生する1.6Lツインカムエンジンのみのモノグレード展開となり、スポーティなホットハッチのイメージを強めることで商品力の強化がはかられています。

また、プジョー106とは、プラットフォーム(基本骨格)を共有する兄弟車の関係にあります。

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外観

全長3720mmX全幅1595mmX全高1380mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2385mmとなります。

フロント

直線基調のコンパクトなフロントノーズに小さなヘッドライトが組み合わされます。おだやかな表情とフランス車らしい軽やかさを併せ持つフロントフェイスです。

サイド

短い全長を最大限に活かすため、前後ホイールはボディの端ギリギリにレイアウトされています。そのおかげでコンパクトカーとしたはわりと大きめのキャビンをレイアウトする事ができ、効率の良いパッケージングで広い室内を実現しています。ルーフも高めに設定されていますので、頭上空間にも適度な余裕があります。

かといって、外観が野暮ったくなることもありません。Cピラーが後席の邪魔にならない範囲で最大限に傾斜しているため、キビキビとした軽快感を感じさせます。

リア

ヒップラインの高さや小さなリアコンビランプ、傾斜の強いリアウィンドウが相まって、軽やかなリアエンドを構成しています。リアハッチが兄弟車のプジョーと共通という事もあり、この両者のリアエンドはとても良く似ています。

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内装

プラスチッキーでシンプルな内装デザイン。センターコンソールの半円形が、エアコンやオーディオ周りの機能を効果的にまとめています。こういったグラフィカルで明快な処理は、日本人にはなかなか真似の出来ない感覚です。

シート

前席には立体的な形状のシートが装備されます。継ぎ目の少ない低コストシートですが、そこはフランス車。しっとりとしたやわらかな表皮に、コシのあるしっかりとしたスポンジが組み合わされ、長時間ドライブでも身体への負担は最小限です。

後席にはヘッドレストが装備されませんが、シートの作り自体に問題はありません。厚みのあるしっかりとしたクッションが組み合わされ、中距離(30km)程度であれば快適に移動することができます。頭上空間には程よい囲まれ感がありますが、足元にはクラス標準レベルを超えるゆとりが確保されています。

荷室

このクラスとしては十分広い荷室が確保されています。家族4人であれば、2泊3日旅行も可能です。

静粛性

ロードノイズ、風切音、エンジン透過音ともに大きめです。といってもこのクラスの欧州車であれば、特に問題のあるレベルではありませんが。

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エンジンとミッション

1587ccの直列4気筒OHCエンジンに、3速ATが組み合わされます。
エンジンは、90ps/5600rpmの最高出力と、14.0kgf・m/3000rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量970kg。10モード/10・15モード燃費は、11.2km/lとなります。

エンジン

シンプルな1.6Lエンジンで前輪を駆動します。軽量ボディと低速トルクのたっぷりとした扱いやすいエンジンが組み合わされ、出足から中低速域まで力強い加速が可能です。急な様道であってもモタモタとした鈍さを感じさせることはありません。

トランスミッション

トルコン式の3速ATを装備。フラットで厚い低速トルクによって、ギア数の少ない3速ATでも十分スムーズに加速することができます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

足回り

適度に引き締まったしなやかな足回り。シャシーをプジョー106と共有するため、シトロエンらしさは希薄です。

高速域での直進性も高く、安定した姿勢で走ることができます。

ハンドリング

キビキビとした軽快なハンドリング。といっても機敏すぎるということはありません。適度な余裕を残したまま、ドライバーの操舵に対して素直に反応します。長距離ドライブでも疲れの出にくいセッティングです。

評価のまとめ

プジョー106をベースに作られているため、シトロエン独自の味わいはほとんどありません。といってもフランス車らしい小粋な外観と、軽快なハンドリング、トルクの厚い扱いやすいエンジンはこのシャンソンの大きな魅力です。まあ、これはプジョー106でも変わらないわけですが・・・。

車の好きな若い人や、子供が独立していなくなった高齢者など、普段一人か二人で使う車としては最適です。

フランス車らしいおしゃれな雰囲気を手軽に味わう車としても申し分ありません。ただ、中古車で買うとなると、整備や点検など維持が心配です。近所にこの手の車を得意とする整備工場がある人に限ってオススメできる車です。

スタイリングとしては、マイナーチェンジ前のシンプルなデザインの方がフランス車らしくて好ましいのですが、整備点検の事を考えれば、なるべく新しい個体を探したほうが無難です。また、マイナー後の後期型は、VTSというホットハッチのみの展開となり走りの好きな人に根強い人気があります。そのため、程度の良い低走行車は結構いいお値段となってしまいます。

価格

新車当時の価格 | 1,940,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)