3代目 トヨタ ウィンダム 3.0G リミテッドエディション【試乗評価】クラウン並の居住スペースと、レクサス基準の品質を持ったお得な一台 [TA-MCV30]

今回の試乗レポートは「3代目 トヨタ ウィンダム」。
2001年から2006年に渡って製造販売されていた、Mクラスの4ドアセダンです。

FFレイアウトをベースに大きなボディが与えられた初代ウィンダムのコンセプトをそのまま受け継ぎ、今回で2回目となるフルモデルチェンジが行われています。

全長は変わらないものの、全高とホイールベースが拡大され、先代モデルよりもさらに一回り大きくなった印象をうけます。

プラットフォーム(基本骨格)にはカムリと共通のものが使われ、中クラスセダンにふさわしいがっしりとした体躯を与えられています。

アメリカ市場では「レクサスES」として販売されており、レクサス基準の高品質な車作りが行われています。

スポンサーリンク

外観

全長4865mmX全幅1810mmX全高1455mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2720mmとなります。

フロント

3代目ソアラを思わすような伸びやかなフロントノーズに、ゆったりとした形状の大型ヘッドライトが組み合わされます。アメリカの空気を感じさせる大らかなフロントフェイスです。

サイド

ホイールベースが拡大されているものの、前後オーバーハングの長い特徴的なフォルムは維持されています。前後に長く薄いボディと大きなキャビンによって堂々とした風格が表現されています。

リア

低くワイドに広がるリアエンドに、傾斜のキツイ大きなリアウィンドウが印象的です。サイドに大きく回り込むリアコンビランプと相まって、セルシオやクラウンに迫る上質感や迫力があります。現在50万円以下で変えるVIPカーとしては(2017年9月現在)、とてもコストパフォーマンスが高いです。

スポンサーリンク

内装

ゆるやかな曲線による上質なデザインです。ただ、センダーコンソールの木目調パネルは、ちょっとプラスチック感が強くて興ざめです。

眼前にはしっかりとしたフォントで速度が刻まれた、視認性の高い三眼メーターが装備されます。フロントノーズが長くゆったりとした曲線を描くため、ボディの見切りは今ひとつです。

リアウィンドウ自体は大きいのですが、傾斜が強いため実質的な視界は狭いです。バックの時は慎重な運転が求められます。

シート

前席には、ストロークの長いフカフカのシートが装備されます。といってもクッションの芯に適度なコシと硬さが与えられているため、長時間ドライブでも疲れにくいです。

後席は、座面の角度、シートバックの高さともに申し分ありません。全高とホイールベースが拡大されたことにより、頭上、足元空間ともに十分なスペースが確保されています。成人男性が余裕を持って座ることができます。

荷室

荷室には幅が広く奥行きの深い広大なスペースが確保されています。家族4人であれば人数分のキャンプ道具も十分に積み込むことができます。

静粛性

ボディ各所にシッカリと遮音対策が施され、先代モデル以上の静粛性を確保しています。風切音、ロードノイズの抑え方はレクサス基準といえます。

スポンサーリンク

エンジンとミッション

2994ccのV型6気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
215ps/5800rpmの最高出力と、30.5kgf・m/4400rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1530kg。10モード/10・15モード燃費は、9.8km/lとなります。

エンジン

3.0LのV6ツインカムエンジンで前輪を駆動。出だしから力強いトルク感があり、軽くアクセルを踏み込むだけで十分な加速が得られます。高速巡航からの加速も軽快です。

レクサス基準で作られているだけあり、加速中のエンジン音は重厚感と上質感を感じさせる気持ちの良いサウンドです。

トランスミッション

トルコン式の6速ATを装備。トルクフルなV6エンジンのおいしいところをしっかりと使い切って、緻密な変速制御でスムーズに変速します。エンジン回転が低く抑えられているため、ノイズやバイブレーションの発生も最小限に抑えられています。

足回りとハンドリング

前後ともにストラット式サスペンションが装備されます。

足回り

ストロークのたっぷりとした上質なサスを活かして、芯のあるソフトな乗り味が与えられています。これなら長距離ドライブでも疲れることは少ないです。

高速域では路面のうねりをサスがしっかりと吸収し、フラットな姿勢を維持して直進します。突き上げ感がほとんど無いため、目地段差を通過しても不快な振動が車内に侵入することはありません。

ハンドリング

ゆたっりとしたスローなステアリングフィールで、ステアリングセンターの遊びも大きめです。といってもそこからステアリングを切り込んでいけば、ドライバーの操舵に対して素直に反応して自然にノーズの向きを変えてくれます。

評価のまとめ

このウィンダムが発売された当初、日本市場にレクサスディーラーは存在しませんでした。そのため、アメリカでは「レクサスES」として上質な車作りが行われていたものの、日本市場では「トヨタ ウィンダム」として発売された経緯があります。

クラウン並の広々とした室内と、レクサス基準の質感と静粛性の与えられたこのウィンダムは、手頃な値段で買える「隠れレクサス」として大変お得な存在です。

しかも現在の日本では、このウィンダムのようなFFセダンは一部の固定層にしか売れない不人気車種です。中古車市場での人気もおのずと低く、程度の良い最終モデルでも50万円もあれば十分購入する事ができます(2017年9月現在)。

10年前のモデルですが、のびやかでアメリカンなスタイリングは、現行型クラウンと比較しても十分新しく見えます。こういった車を雑に乗る人は少ないので、丁寧に扱えばそれほど維持費も掛かりません。

「予算は無いけど、ゆったりとした高級車に乗ってみたい」という人にはピッタリな一台です。室内には十分以上の広さがありますので、ファミリーカーとして使うことも可能です。

価格

新車当時の価格 | 4,084,500円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)