2代目 日産 エルグランド ハイウェイスター【旧型レポート】ファーストクラスのような乗り心地と、圧倒的な存在感 [CBA-E51]

今回の旧型レポートは「2代目 日産 エルグランド ハイウェイスター」。
2002年から2010年に渡って製造販売されていた、高級Lクラス・ミニバンです。

プラットフォームには、SUVである日産テラノの車台が使われています。

「初代エルグランド」はこのクラスで唯一の高級ミニバンとして大ヒットを記録しました。しかし、2代目になるとトヨタからより安価で押し出しの強い「初代アルファード」が発売され、すっかりお客を奪われてしまいます。

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外観

全長4835mmX全幅1815mmX全高1910mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2950mmとなります。

フロント

堂々としたノーズに、大きなグリルと巨大なヘッドライトが組み合わされ、圧倒的な存在感を感じさせます。ライバルのアルファードよりちょっと上品なところが、このエルグランドの美点です。

キャラクターラインの始点には、立体的なフロントフェンダーが巧みに組み込まれています。このデザイン処理について、当時の担当デザイナーは「建築からインスピレーションを得た」と言っていましたが、どのへんが建築的なのかはさっぱり分かりません。

サイド

張りのある巨大なサイドパネルに、彫刻的なキャラクターラインが描かれ、伸びやかで硬質感のある美しいサイドビューを構成しています。

リア

がっしりとした立方体に、横長の薄いリアコンビランプ。小さな角型のリフレクターが組み合わされます。フロントと比較するとちょっと寂しい印象ですが、これくらい抑えめにした方が全体のバランスが引き立つという事もあります。

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内装

大柄なボディを活かして、室内には広々とした余裕があります。高級感のある内装デザインが施され、まるでファーストクラスのようです。

高いアイポイントと見晴らしの良さが相まって、ゆったりとした優越感に浸れます。実際に他車から見ても圧倒的な存在感があり、普通の人なら簡単に道を譲ってくれます。

シート

たっぷりとしたサイズと、コシのあるクッションが与えられた快適なフロントシートです。長距離ドライブでも腰が痛くなることはありません。

セカンドシートは平板なベンチシートです。といっても上質なクッションが使われているため、フロントシート同様、快適な座り心地です。ベンチシートが嫌いという人には、ゆったりとしたキャプテンシート(独立シート)を装備した、上級グレードの「XL(7人乗り)」をオススメします。

サードシートにも、しっかりとしたクッションが奢られています。といっても、シートバックの高さが足りないため、緊急用シートとして使うのが無難です。

荷室

サードシートを使っていると、荷室スペースは最小限となります。もちろん、サードシートを折り畳んでセカンドシートをぐっと前にスライドさせれば、広大な荷室スペースが出現します。家族4人であれば、キャンプにバーベキューにと自由に楽しむことができます。

静粛性

高級Lクラスミニバンにふさわしく、室内にはたっぷりと遮音材がおごられています。ロードノイズ、風切音ともに低く抑えられています。

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エンジンとミッション

3498ccのV型6気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、240ps/6000rpmの最高出力と、36.0kgf・m/3200rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量2010kg。10モード/10・15モード燃費は、8.4km/lとなります。

エンジン

3.5LのV6ツインカムエンジンで後輪を駆動。低速から図太いトルクを発揮して、この重量級ボディを楽々と加速させます。エンジン音も上質で、スムーズに吹けあがります。

急な坂道や、加速を必要とする合流ポイントでも力不足を感じることはありません。

2004年のマイナーチェンジで2.5Lエンジンが追加されていますが、さすがにこれだけの重量級ボディを軽快に走らせるには物足りません。ただし、日常域でゆったりと走るだけなら十分です。エルグランドの威風堂々とした雰囲気を、割安な価格で味わいたい人にオススメのグレードです。

トランスミッション

トルコン式の5速ATを装備。分厚いトルクを活かして、低い回転を保ったままスムーズに変速します。

足回りとハンドリング

前輪にストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

足回り

初代の車軸懸架方式から独立懸架方式の「マルチリンクサス」に変更され、乗り心地が向上しています。

高速域での安定性も高く、まっすぐな道を矢のように直進していきます。

ハンドリング

全高の高さと超重量級のボディが災いして、コーナーの連続するワインディングでは右へ左へと上屋が揺すられます。

低速域でのステアリングは軽く、駐車場などでの切り返しに重宝します。といっても小回りが効くわけではありませんが。

評価のまとめ

大きなボディを活かした威風堂々としたスタイリングに高級感溢れる内装。広々とした室内空間。超重量級ボディを物ともしない分厚い低速トルクと、上質感あふれるエンジンフィール。まさに高級ミニバンにふさわしい圧倒的な存在感があります。

ただし、アルファードに比べてちょっと上品な外観と、値付けの高さが災いして、販売量ではアルファードの後塵を拝しています。

といってもクルマの完成度では何ら引けを取る要素はありません。かえって中古車で購入する場合は、人気の高いアルファードよりも安く買えるでしょう。

通勤に使う事もできますが、この大きなボディや燃費の悪さを考えると、「普段は他のコンパクトカーか電車で通勤しているが、週末は家族サービスのために大きなミニバンが必要」という人にピッタリなクルマです。

価格

新車当時の価格 | 3,360,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)