3代目 メルセデスベンツ Sクラス S500(W140・1997年)【旧型レポート】最善か、無か [E-140050]

今回の旧型レポートは「3代目 メルセデスベンツ Sクラス S500(W140・1997年)」。
1991年にフルモデルチェンジしたLクラス高級セダンです。

5リッターV8エンジンで後輪を駆動する、メルセデスベンツのフラッグシップモデルです。

この標準ボディの他に「L」と呼ばれるストレッチ版も用意されています。このストレッチ版は、ショーファードリブン(運転手付き)として使いたい人に当時高い人気を誇っていました。

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外観

全長5120mmX全幅1885mmX全高1490mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは3040mmとなります。

このSクラスは、登場からすでに20年以上が過ぎていますが、今でも近寄りがたい圧倒的な存在感があります。

フロント

大きな直線基調のボディに、角型のグリルとヘッドライトが組み合わされます。重厚感のある堂々たる面構えです。

サイド

大きなホイールベースに巨大なキャビン、FRらしいロングノーズとショートオーバーハングが組み合わされ、優雅さと厳つさの両立したサイドビューを構成しています。

リア

ワイドに広がる広大なリアエンドに、角型のリアコンビランプが装備されます。スリーポインテッドスターと相まって、メルセデスらしい独特の重厚感があります。

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内装

巨大なボディにふさわしい広大な室内空間を持ちます。その分取り回しはしにくくなりますが、ボディの隅が角ばっているため「見切り」自体は良好です。

現代の華やかな印象のメルセデスベンツとは異なる、重厚感のあるシンプルな内装デザインです。

シート

フロントシートには、上質で重厚感のあるアンコが詰められ、しっとりした本革レザーが貼り付けられています。適度なサイズ感と立体的なデザインで体圧をキレイに分散します。長時間座っていても疲れの少ない快適なシートです。

リアシートのサイズもたっぷりとしていて、足元、頭上空間ともに十分なスペースが確保されています。いつまでも座り続けたくなる快適なシートです。

荷室

奥行き、幅ともに広大なスペースが確保されています。ボディ形状はセダンですが、家族4人でキャンプにいっても十分使えそうな広さです。

静粛性

メルセデスベンツのフラッグシップモデルにふさわしい、圧倒的な遮音性能を持ちます。エンジン音が遠くでわずかに聞こえるだけで、不快なノイズは完全に遮断されています。

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エンジンとミッション

4973ccのV型8気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、320ps/5600rpmの最高出力と、48.0kgf・m/3900rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量2050kg。10モード/10・15モード燃費は、6.0km/lとなります。

エンジン

5リッターのV8エンジンで後輪を駆動します。圧倒的な大トルクで2050kgの巨大なボディをものともせず、グイグイと加速していきます。

このS500の上には、6リッターV12エンジンで後輪を駆動する「S600」というモデルがあります。こいつは最大トルク58.2kgを発生するとんでもないハイパワーモデルですが、それ以上に燃費が悪すぎます。

その点このS500なら多少燃費も良いですし、車両価格も400万円ほど安くすみます。「どうしてもV12エンジンに乗りたい」といった特別な事情がないかぎり、このS500で十分スポーティな走りを味わうことができます。

トランスミッション

大きなトルクを発生するV8エンジンを有効に使って、エンジン回転を低く保ちながらスムーズに変速を行います。

足回りとハンドリング

前輪に4リンク式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

足回り

圧倒的な直進安定性を持ちます。多少の轍などものともせず、矢のように直進します。重厚感のある快適な乗り心地です。

ハンドリング

適度な重さのある重厚なステアリングフィールです。中立付近にあえてダルな感触を残すことで、ドライバーに与える疲労感を小さく抑えることができます。

運転する楽しさといったものは少ないのですが、ステアリングの操舵量と車の動きリンクしているため違和感はありません。

評価のまとめ

このSクラスは、「最善か、無か」のコンセプトで設計された最後のメルセデスベンツといわれています。

当時日本市場ではそれなり高い人気を得ており、街中で見かけることも多かったです。しかし、お膝元である欧州市場では、不必要に大型化したボディと燃費の悪さが災いして、前時代的な古い価値観の車という悪評がついてしまいました。

この後、なぜか日本車的なコストダウン手法を採用したメルセデスベンツは、「コストダウンと品質の維持」という相反するテーマにしばらく苦しめられることになります。

厳ついスタイリングと大きすぎるボディはかなり乗る人を選びますが、上質で重厚感あふれるメルセデスベンツ・フィールを味わうにはこれ以上ふさわしい車はありません。

ただしこの古いメルセデスベンツを、しっかりとコンディションを維持しながらそれなりに乗ろうとすると、信頼できる整備工場と相応の予算が必要になりますが。

価格

新車当時の価格 | 11,800,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)