新型 ポルシェ 911 カレラ S【試乗評価】車と人間による至高の一体感 [ABA-991H1]

今回は「新型 ポルシェ 911 カレラ S」を試乗レポートいたします。
ポルシェ911は、2011年のモデルチェンジで7代目となった、ポルシェを代表する2ドアスポーツクーペです。

2015年にビッグマイナーチェンジが行われ、新しい3.0リッターのダウンサイジング・ターボエンジンが搭載されています。

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外観

全長4499mmX全幅1810mmX全高1296mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2450mmとなります。

昔ながらの911のイメージを踏襲した、変わることなきポルシェらしい外観が与えられています。もうここまで来ると、簡単に新しいイメージに変えることは許されないでしょう。

フロント

スポーティな大型エアスクープを備えたフロントバンパーに、楕円形のヘッドライトが組み合わされます。ポルシェの伝統を継承する美しいスタイリングです。

サイド

古典的なポルシェの文脈を受け継ぎながらも、モダンで新しいデザイン処理が組み合わされています。スランとしたノーズと傾斜の強いAピラーにより、現代的でスポーティな新しいポルシェの世界観が表現されています。

リア

大きく大胆に張り出したリアフェンダーと、小さく絞り込まれたキャビンスペースの対比により、力強くスポーティなリアエンドを形作っています。

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内装

フォルクスワーゲングループの一員として、ついにポルシェにも「バーチャルコックピット」が装備されました。といってもポルシェならではのスポーティな「5連メーター」は健在で、昔ながらの作法を崩すことはありません。

室内には高級スポーツクーペにふさわしい上質なしつらえが施されています。樹脂の素材感、しっとりとしたメタル素材、上質な本皮などの組み合わせにより、高級サルーンのような質感が与えられています。

シート

フロントシートには、アウターシェルを使った軽量なスポーツシートが装備されます。スポーツシートといっても快適性にも十分な配慮がみられ、長時間ドライブしていても疲れることはありません。サーキットをガンガン走るためのシートというよりは、アウトバーンをリラックスして何百キロも走るためのシートと言ったほうが近いです。

ポルシェ911には、リアルスポーツのイメージとは裏腹に、後席に小さなシートが装備されます。

あくまでも緊急用のリアシートですが、小さな子どもを短距離移動させるには十分なシートです。また、普段は荷物置き場としても使えるため、911の実用性を大きく向上させています。

荷室

エンジンがリアエンドに搭載されるため、911の荷室はフロントフードの下にレイアウトされます。2人で1泊旅行に行くくらいなら十分な容量を持ちます。

静粛性

車内にはしっかりと遮音材が施されており、不快な印象はありません。もちろん完全な無音というわけではなく、フラット6の方向を楽しむだけの適度な余裕は残されています。

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エンジンとミッション

2981ccの水平対向6気筒DOHCツインターボエンジンに、7速PDKが組み合わされます。
エンジンは、420ps/6500rpmの最高出力と、51kgf・m/1700-5000rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量は1535kgです。

エンジン

3.8リッター自然吸気エンジンから大幅にダウンサイジングされた、3.0リッターターボエンジンが搭載されています。ただし、パワーが20馬力ほど上乗せされているため、ダウンサイジング化による非力さやもっさり感はありません。同時に、ポルシェらしい鋭いレズポンスも感じられます。

ターボならではの加速の谷や急激なパワーの盛り上がりは皆無で、3.8リッター自然吸気エンジンを超えるトルクフルで扱いやすいエンジンとなっています。加えて燃費効率も12%ほどの向上がみられます。

ドライブモードスイッチの真ん中に新設された「スポーツレスポンスモード」スイッチを押すと、ポルシェ911カレラの潜在力を遺憾なく発揮するレーシーなモードに切り替わります。

この「スポーツレスポンスモード」は、20秒間という制限時間が設けられていますが、カレラSに装備されるメーターには、この残り時間をカウントダウン方式で表示する楽しいギミックも用意されます。

トランスミッション

機械式トランスミッションの作動を感じさせない、スムーズで上質な変速フィールです。といってもデュアルクラッチらしい鋭いレスポンスは健在で、ダウンサイジングターボの豊かなトルクを余すことなく路面に伝えます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

足回り

大きなホイールに固めのスポーツサスが装備されますが、段差を乗り越えた際の初期フリクションに圧倒的なスムーズさが与えられているため、不快な印象を感じることはありません。

路面のうねりに対して、常に車体が追従して動くため、フラットライドな安定感があります。

ハンドリング

リアサスの圧倒的なスタビリティにより、路面に吸い付くような安定した走りをみせます。電子制御によるスタビリティコントロールが装備され、RRならではの不自然なドライブフィールで、怖い思いをすることもありません。

車はドライバーの意思のまま忠実なラインを描き、路面からのインフォメーションとドライバーの意思がダイレクトに繋がったような、至高の一体感が得られます。

評価のまとめ

ビックマイナーチェンジにより、さらにパワフルな車になりましたが、ドライブフィールなどに大きな変化はありません。

対象となるユーザー

911を買おうという人にオススメとかどうとか言うのは無粋な話ですが、あえて言うならデュアルクラッチトランスミッションと電子デバイスの恩恵により、クセの強い911もかなり乗りやすい車となっています。本当のポルシェ好きはもとより、ちょっとおしゃれな外観に惹かれて乗ってみたいという人にも、オススメできる懐の深さ新型911の魅力です。

価格

価格 | 15,841,000円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)