日産 セレナ(4代目)【中古車で買う時の注意点】バイヤーズガイド

日産 セレナ(4代目)は、2010年に登場して以来2016年までの6年間に渡って販売されていた、日産自動車が製造販売するミドルサイズのミニバンです。

新型の5代目セレナが発売された現在でも人気が高く、中古車市場には程度の良い個体が数多く流通しています。

今回はこの「日産 セレナ(4代目)」について、「中古車で買う時に注意した方が良いポイント」を詳しく解説したいと思います。

日産セレナ(4代目)の試乗レポートについては、「【試乗レポート】日産セレナ ハイウェイスター Vセレクション+SafetyⅡ」のページをご覧ください。

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目次

  • 概要
  • 日産セレナ(4代目)をあえて中古で買うメリット
    1. 平凡ながら優しい印象の外観
    2. 日本車離れしたお洒落な内装
    3. フランス車のようなコシのある柔らかなシート
  • 気になるポイントをチェック(デメリット)
    1. ハイブリッドシステムが非力
    2. 高速域で乗り心地が少しバタつく
  • 年式による違い(マイナーチェンジ情報)
    1. 「S-HYBRID」の高効率化
    2. 衝突回避支援システムの標準装備化
    3. 外観上の変更点
    4. 内装の変更点
  • 特別仕様車
  • リコール情報について
    1. セレナ(4代目)のリコール情報
  • まとめ
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概要

一時期ミニバン販売台数ナンバー1を誇った「日産 セレナ(4代目)」ですが、モデル末期になるとトヨタの「ノア/ヴォクシー」に激しく追い上げられ、その後塵を拝していました。

ただ、ミニバンとしては王道の作りをしており、モデル末期には大きく熟成も進んで、自動車の完成度としては申し分ないレベルがあります。

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日産セレナ(4代目)をあえて中古で買うメリット

新型となった5代目セレナはかっこいい押し出しの強い外観と、すぐれた自動運転技術が装備された魅力的なモデルです。しかし4代目セレナには5代目には無い個性的な魅力があるのも事実です。

平凡ながら優しい印象の外観

外観はいかにもミニバンといった普遍的なデザインが与えられています。目立つことが嫌いで、厳つい外観の車が苦手という人にはピッタリな優しい印象のスタイリングです。

エアロパーツが装備された特別仕様車の「ハイウェイスター」系を選べば、適度に引き締まった都会的なスタイリングに仕上げることも可能です。

日本車離れしたお洒落な内装

内装のデザインには、お洒落でポップなフランス的なデザインが与えられています。ユーモラスな形のステアリングと、不思議な位置にレイアウトされたメーターが相まってセレナ独特の可愛い雰囲気を作っています。ユーモラスとか可愛いといった印象を与えるものの、どこか大人びた苦味のようなものが感じられ、子供じみた幼稚さは微塵もありません。

フランス車のようなコシのある柔らかなシート

日産 セレナ(4代目)の最大のメリットがこのシートの質感です。この値段で買える日本車では最高レベルだと思います。シート表皮にはしっとりした「コシ」としなやかな「たわみ」があり、長時間座っていても腰が痛くなるようなことはありません。逆に腰が少し痛いときに座っていれば、腰痛が治ってしまいそうな感じさえあります。

気になるポイントをチェック(デメリット)

様々な魅力を持った4代目セレナですが、ちょっと気になるポイントがいくつかあります。欠点はある人にとっては気にならなかったり、逆にメリットとなることもありますので、購入前にしっかりとチェックしておきましょう。

ハイブリッドシステムが非力

日産 セレナ(4代目)に装備されるハイブリッドシステムは、「S-HYBRID」と呼ばれるマイルドハイブリッドシステムです。マイルドハイブリッドシステムは、フルハイブリッドシステムと違う、大幅な車両改造を必要としないため、既存の車に改修を施すことで成立させることができます。そのため、価格も安く(セレナの場合5万円高)、車重も軽く済ませることができますが、反面、フルハイブリッドシステムのようなエネルギー効率の良さや、電気モーターによるパワフルな加速は望めません。

この点を理解した上で購入していれば何の問題ありませんが、万が一勘違いしている場合は後になって後悔することになります。

高速域で乗り心地が少しバタつく

普段街中でゆっくりと走っている分には、適度に引き締まったしなやかな足回りを持つ快適な乗り心地です。

ただ、リアサスにはスペース効率に優れたトーションビーム式サスペンションが使われているため、郊外でスピードを上げると段差を拾ってバタバタと不快な衝撃を車内に伝えてしまいます。

街乗りを重視したセッティングにしてあるためと思われますが、高速道路を頻繁に走る人は購入前にチェックしておいた方がいいでしょう。

年式による違い(マイナーチェンジ情報)

新車を購入する場合はメーカーと車種を選ぶだけですが、中古車の場合は、さらに「年式を選ぶ」という一手間が加わります。年式が違えば、装備や細かい改修箇所が変更される場合もあり、全く違った印象の車となる事もありますので、購入前にしっかりと予備知識を仕入れておく必要があります。

2010年に登場したこの「日産セレナ(4代目)」の場合は、2013年の12月25日にビッグマイナーチェンジが発表されています。

「S-HYBRID」の高効率化

「S-HYBRID」搭載車において、ハイブリッドシステムのエネルギー効率が向上し「平成27度燃費基準+20%」を達成しています。加えて「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」も達成しています。

衝突回避支援システムの標準装備化

このビッグマイナーチェンジによって先進安全システムである「エマージェンシーブレーキ」や「LDW(車線逸脱警報)」を「20S」を除く全車に標準装備しています。

さらにオプション装備「アドバンストセーフティパッケージ」として、移動物検知機能を追加した「アラウンドビューモニター」、「踏み間違い防止アシスト」「ふらつき警報」を選ぶことができるようになっています。

そのため、中古車であってもしっかりとした先進安全システムを装備しておきたいという人には、このビッグマイナーチェンジ以降のモデルがオススメとなります。

外観上の変更点

ビッグマイナーチェンジにより新しいデザインのフロントグリルを装備し、加えて二段構えのヘッドライトデザインを採用しています。フードやフェンダー、バンパー周りのデザインにも変更が加えられています。

特別仕様車である「ハイウェイスター」でも専用エアロのデザインを一新し、より上質で存在感のあるデザインを実現しています。

内装の変更点

内装装備においては、フロントドアガラスに「UVカット断熱グリーンガラス」を採用し前席乗員の快適性が向上しています。フロントウィンドウにはトップシェードが新設され、サードシートにはミニテーブルが採用されるなど数多くの新装備が加えられています。

さらに「セレナ(8人乗り)」では、「スマートマルチセンターシート」が採用され、8人乗りでありながらセカンドシートによるウォークスルーや横スライドなど、多彩なシートアレンジが可能になりました。

特別仕様車

モデル末期になると商品力の底上げのためと、量産効果により進んだコストダウンにより、オプション装備をたっぷりと奢られた「特別仕様車」がラインナップされます。

この最終モデルによる特別仕様車は、すぐに新型にモデルチェンジして型遅れになるというデメリットがありますが、そういった点が気にならなければメカニカルな熟成の進んだ自動車本体に、贅沢なオプション装備がふんだんに盛りこまれたお得な商品となります。これを中古車で買う場合は、新型がすでに登場していますので、年式の新しい車をお安く買えるというメリットがあります。

この日産セレナ(4代目)にも2015年に特別仕様車が用意されていました。それが「ハイウェイスター Vセレクション+Safety 2 S-HYBRID」「ハイウェイスター Vセレクション+Safety 2」「ハイウェイスター Vエアロモード+Safety 2 S-HYBRID」「ハイウェイスター Vエアロモード+Safety 2」「20X Vセレクション+Safety S-HYBRID」「20X Vセレクション+Safety」の6車種です。

普段、年式の新しい人気車種は値下がりが遅く安く買うことができませんが、新型が出たばかりの時期は例外です。

もともとお得な最終型の特別仕様車を、新型登場効果によってさらにお安く買うことができます。

リコール情報について

「リコール情報」は、自分で日産の公式ホームページに対象車の「車台番号」を入力するか、車を日産ディーラーに持ち込めば簡単に調べることができます。

また、購入後になってリコールによる未改修箇所を発見した場合でも、日産の正規ディーラーに持ち込めば、きっちりとしたリコール対策を施して貰えますので心配は無用です。

ただし、未改修のまま放置すると危険ですので、購入後は必ずチェックをしてください。

セレナ(4代目)のリコール情報

秋ろーがの日産の公式ホームページで確認したところ、日産セレナ(4代目)のリコール情報は以下の通りです(2016年12月8日現在・新しいものから3点表記)。

リコールの概要:アイドリングストップ付き車のスターター機能付き発電機不具合
対策:対策品に交換(対策品の準備が整うまではアイドリングストップ機能を停止)
製造期間:平成28年7月19日~平成28年8月27日
対象車合計:9,481台

リコールの概要:バックドアのガス封入ステーの不具合
対策:対策品に交換
製造期間:平成22年11月15日~平成28年1月6日
対象車合計:703,928台(セレナ以外の車種を含む)

リコールの概要:横滑り防止装置の不具合
対策:当該エンジン制御プログラムを対策プログラムに交換
製造期間:平成25年12月12日~平成27年4月17日
対象車合計:5,582台

※この他のリコール情報およびリコール情報の詳細については、日産の公式ホームページか、直接日産ディーラーにお問い合わせください。

まとめ

日産セレナ(4代目)は車の完成度が高いため、予算を低く抑えて前期モデルを買ったとしても大きな不満は出ないと思います。

ただ、2013年度に行われたビッグマイナーチェンジより、内外装には大きなリファインが加えられ、魅力も大幅に向上しています。

中でも、先進安全技術とハイブリッドシステムの高効率化は大きなポイントで、この点にこだわりのある人は後期モデルを買うしかありません。

セレナはモデルチェンジ(2016年)をしたばかりなので、旧モデルで年式の新しいセレナを手頃な価格で買えるというのも、中古車でセレナを狙っている人には大きなアピールポイントとなります。

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ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)