新型 日産 ノート e-POWER【試乗評価】 電気自動車とハイブリッドカーの良いとこどり[DAA-HE12]

今回は「新型 日産 ノート e-POWER メダリスト」を試乗レポートいたします。
日産 ノート e-POWERは、2012年に登場した第二世代の日産ノートに、2016年のマイナーチェンジで新たに加えられた「シリーズ・ハイブリッド方式」のグレードです。

シリーズ・ハイブリッド方式とは、普段は電気モーターを使って走り、発電する時だけ搭載されたエンジンを使用するハイブリッド方式のことです。

ハイブリッドカーの種類【技術解説】

日産ノートは、5ドアハッチバックのコンパクトカーで、日本仕様車は日産自動車九州工場で生産されます。

マイナーチェンジ前の、ガソリン仕様車については「【試乗レポート】新型 日産ノート X TIG-S」をご覧ください。

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外観

全長4100mmX全幅1695mmX全高1520mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2600mmとなります。

シリーズ・ハイブリッドカー「e-POWER」の登場に合わせ、外装にもフェイスリフトが施されています。

フロント

ヘッドライトやグリルの形状に大幅な変更は見られませんが、新しく「Vモーショングリル」とそれに合わせた新形状のフロントバンパーが与えられ、近未来感あふれる先進的なデザインに仕上がっています。

サイド

サイドパネルには、大きくナイフでえぐったようなキャラクターラインが与えられています。マイナーチェンジで大きな変更は見られませんが、大胆で質感の高いサイドビューは健在です。

また、メダリストグレードには、専用の15インチアルミホイールが与えられ、さらにスタイリングを引き締めています。

リア

リアエンドに付けられた「e-POWER」専用エンブレムの有無と、フロントグリルの青い差し色が「e-POWER」とガソリン車を見分ける数少ないポイントです。

マイナーチェンジにより、リアバンパーのデザインが変更されています。サイドのキャラクターライン後端を巧みに生かしてリアコンビランプが配置されています。スマートで存在感のあるリアエンドです。

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内装

このメダリストグレードは「ティーダ」後継モデルという位置付けのため、全体的に上質な車内が与えられています。

ステアリングには、D字型にシェイプされた本革巻き3本スポークが装備されスポーティな雰囲気を作り出しています。さらに、メーターには「e-POWER専用ファインビジョン」が使われ、シフトノブにも専用デザインが施されています。

シート

フロントシート表皮にはジャガード織りの生地と合皮が使われ、ポップで高品質なデザインとなっています。シートクッションには適度な張りとコシがあり、長時間座っていても疲れません。わずかにサイドサポートも備わるため、コーナリングの度に体がずれるという心配も無用です。

リアシートのサイズは小ぶりなものの、クッションには十分な厚みとコシがあるため、中距離(30km)移動程度なら大丈夫です。

荷室

コンパクトカーながら、スペース効率が優れており、荷室にも十分な容量が確保されています。4人家族で1一泊旅行程度なら十分にこなすことができます。

静粛性

もともと車内静粛性の高いノートですが、シリーズ・ハイブリッド化されたことにより、エンジン回転は2000回転少々くらいで保たれます。そのため、エンジンの透過音も小さくなり、さらに静かさが増しています。

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エンジンとミッション

1198ccの直列3気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、79ps/5400rpmの最高出力と、10.5kgf・m/3600-5200rpmの最大トルクを発揮します。また搭載される電気モーターは、109psの最高出力と、25.9kgf・mの最大トルクを発揮します。車両重量は1220kgで、JC08モード燃費は、34.0km/lとなります。

エンジンと電気モーター

エンジンは発電専用となるため、タイヤとエンジンを直接つなぐものはありません。そのため、スムーズで力強い電気自動車に近い走行フィールです。

特に、始動から低速域、中速域へと加速する際は、ハイブリッドカーのようにエンジンと電気モーターを協調して制御する必要がないため、リニアでピックアップに優れる電気自動車のようなダイレクトな走りが味わえます。

ただし純粋な電気自動車と違う点は、バッテリー容量が不足してくるとエンジンが自動で始動して発電を開始するという点です。そのため、始動からしばらくは電気モーターだけで走り、中速域においてはエンジンが掛かったり停止したりを繰り返し、電気モーターの出力が大きくなる高速域ではエンジンが掛かりっぱなしとなります。

回生ブレーキ

また「ドライブモード」ボタンで「エコモード」を選択すると、回生ブレーキの効き目が強くなりブレーキで回収できるエネルギーが増加します。この回生ブレーキは普通のブレーキを緩めに掛けた時と同じくらいの制動力を持っています。そのため、回生ブレーキにより急激な制動力が発生する場合は、安全のためブレーキランプが点灯するように配慮されています。

始めのうちはこの回生ブレーキの制動力が強すぎて、ギクシャクとした運転となりがちですが、慣れればスムーズに停止、減速を行うことができるようになります。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。

ハンドリング

ハンドリングセンター付近に曖昧なフィールが残りますが、普通に街中を足車として流す分には大きな問題にはなりません。

足回り

15インチアルミホイールが奢られた足回りはハーシュネス性能が低く、路面の段差やジョイントを通過すると車内にゴツゴツと不快な衝撃を伝えてしまいます。

ガソリン仕様のノートと比較すると100kg以上の重量増が見られますが、それに合わせて足回りが見直されているため大きな違いはありません。

その他

「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」や、「車線逸脱警報」などの先進安全装備もしっかりと装備されています。

評価のまとめ

リーフのシステムから、リチウムイオン電池を大幅に小型化して軽量化し、発電用エンジンを積み込んだのがこの「ノート e-POWER」です。

そのため、車重はリーフから200kg近く軽量化されているため、素直でリニアな動きと、ダイレクトで力強い走りを両立しています。

電気自動車が高価になりがちなのは、主にコストの高い大容量バッテリーを積んでいるためですが、このノート e-POWERでは、1.2Lエンジンを搭載する事でいつでも不足する電気を補えるようなシステム構成が取られています。そのため、バッテリー容量を大幅に小型化して、バッテリーの価格を極限まで低く抑えることに成功しています。結果的に、コンパクトカーサイズの電気自動車としては異例に安い価格を実現しているのです。

対象となるユーザー

パラレル・ハイブリッド方式のバイブリッドカーと比べると、高速域の燃費性能で若干劣るものの、市街地走行では同等以上の燃費効率を示します。そのため、市街地での使用が多く、キビキビとした自然な走りの手頃な電気自動車を探している人にはオススメの一台となります。

冷静に考えれば、フル装備の軽自動車と同じ価格で、最新型の電気自動車(もしくはシリーズ・ハイブリッドカー)が買えるのですからすごい時代になったものです。

価格

価格 | 2,244,240円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)