フィアット ブラビッシモ(1998年式)【旧型試乗】 快活なツインカムエンジン[E-182AB1]

今回は「フィアット ブラビッシモ 1.6SX 16V(1998年式)」を試乗レポートいたします。
このフィアット・ブラビッシモは1995年に欧州で発売が開始され、日本市場では1998年から1999年に渡って輸入されていました。

基本プラットフォームにはティーポの骨格が使われています。VWゴルフやプジョー306などと同じ「Cセグメント」の3ドアハッチバックです。

この「ブラビッシモ」は、イタリア本国では「ブラーボ」という名前で販売されていましたが、日本市場に導入されるにあたってすでに「ブラーボ」という名前が商標登録されていたため、「最高」を意味するイタリア語の「ブラビッシモ」という名前が使われることになりました。

イタリアではこの「ブラビッシモ」の他に、「ブラーバ」という4ドアセダンがラインナップされていました。当時の日本市場ではどちらかというと4ドアセダンの方が人気が高かったのですが、なぜか日本市場に導入されることはありませんでした。

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外観

全長4025mmX全幅1755mmX全高1415mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2540mmとなります。

美しいティティールが与えられた、スタイリッシュな3ドアハッチバックです。

フロント

薄型のグリルとちっさなヘッドライトが特徴的なフロントフェイスを持ちます。巧みに抑揚が付けられたボディラインと相まって、工芸品的な美しさがあります。このヘッドライト周りは当時のジェミニと少し似ています。

サイド

大きなドアと強く傾斜が付けられたAピラーが特徴的なサイドビューです。どことなく当時のシビックを思わせるようなグラスエリアが与えられています。

リア

サイドから流れてきたショルダーラインの隆起を巧みに使って、リアコンビランプがレイアウトされています。リアウィンドウとリアコンビランプのラインには微妙な関連性が持たされており、結果的に「ブラビッシモ」ならではの独特の美しさを形作っています。

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内装

スタイリッシュな外観からは想像できないくらい広々とした室内スペースがあります。デザインに力を入れながらも実用性を失っていないのは流石イタリアンデザインといったところです。

内装デザイン自体は破綻の無い無難な処理に終始します。イタリア車からイメージするような「遊び」の要素がもう少しあれば言うことありませんね。

リアシートの頭上空間は広々としており、成人男性であっても長距離ドライブを快適にこなすことができます。

広々とした荷室はゴルフと比べても遜色はありません。4人家族で2泊3日程度の旅行であれば余裕を持って行くことができます。

ヨーロッパの古いコンパクトハッチバックですから、車内の遮音性は低く、風切り音やロードノイズが結構な音量で車内に侵入してきます。

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エンジンとミッション

1580ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、103ps/5750rpmの最高出力と、14.4kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1170kgとなります。10モード/10・15モード燃費は不明です。

街中や日常域では必要十分の力強さがあり、力が足りなくてイライラするという事はありません。ただ、坂道では力が足りず加速がもっさりとしてしまいます。

ティーポには日本製のCVTが装備されていましたが、当時のCVTは小さなエンジンにしか組み合わせる事ができないため、このブラビッシモには日本製の4速ATが搭載されます。

この4速ATは日本製らしく信頼性の高いトランスミッションですが、このスポーティなエンジンに組み合わされるには、少々ダイレクト感やピックアップの鋭さが足りません。

イタリア本国でラインナップされていた、1.6リッターDOHCエンジンに5速MTの組み合わせなら、さらにこのツインカムエンジンのスポーティな素性の良さを味合うことができるのですが。

エンジンの振動やバイブレーションが多く、そのままボディやステアリングを通してドライバーに伝わります。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

軽快感と素直な回頭性の良さを併せ持つバランスの良いステアリングフィールです。

乗り心地は固めながらしなやかな奥行きが感じられますが、荒れた路面や目地段差では路面の衝撃を直接車内に伝えてしまいます。

評価のまとめ

固めの足回りにスポーティなハッチバックボディ、低いギアで引っ張ることで真価を発揮するツインカムエンジンが搭載されていますが、トランスミッションにはもっさりとした4速ATが組み合わされるため、寸止めをされているような気持ち悪さが残ります。

このボディに5MTが組み合わされていたならと思うと残念でなりませんが、当時のサービス体制を考えるとすぐ手に入る手慣れたパーツで賄いたいというのも十分理解できます。

また、もっとキビキビと走らせたいという方には、本来の使い方でありませんが、「スノーモード」を発進時に使うことである程度もっさりした感じを補うことが可能です。

価格

新車当時の価格 | 2,050,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)