【コラム】アクティブサスペンションとは


自動車が道路を走っている時、4つのタイヤにかかる荷重は、路面状況やドライバーの操作に応じて刻々と変化しています。

ブレーキングを行いながら右にハンドルを切れば、前輪の左側に荷重が集中し、加速しながら左にハンドルを切れば、後輪の右側に荷重が集中するといった具合です。もし、この荷重変化に対して、リアルタイムでサスペンションのバネレートを変更することができれば、猫科の動物が草原を走るように柔軟でしなやかな乗り心地を持った、理想的なサスペンションが出来上がるはずです。

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サスペンションの理想形

今、この理想的なサスペンションに一番近いと思われるのが、電子制御技術を使ってサスペンションのバネレートを柔軟に変更できる「アクティブサスペンション」と呼ばれるサスペンション形式です。

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マジックボディコントロールの驚くべき性能

その中でも、現状で最も出来がいいアクティブサスペンションは、メルセデスベンツSクラスから搭載されている「マジックボディコントロール」というボディ制御技術と一体になったアクティブサスペンションです。

このシステムの基本となるアクティブサスペンションは、4輪マルチリンクサスを油圧アクティブ制御でコントロールする方式で、ピッチングやローリンング、バウンシングなどの不快な揺れや衝撃をいなし、ボディの姿勢を安定化することができます。金属バネではバネレートの変更は容易ではありませんが、油圧サスを使って圧力をコントロールすることでバネレートを変更しているわけです。

メルセデスベンツの「マジックボディコントロール」はこのアクティブサスペンションをベースとしながら、カメラとコンピューターを使って柔軟に足回りの制御をする仕組みです。

具体的には、まず、フロントウィンドウ内に設置されたステレオカメラを使い、15m先の路面状況を捉えます。その時、路面に大きな段差を検知すれば、コントロールユニットからアクティブサスに命令が出され、フロントサスはその段差と自車の速度に応じた適正なバネレートに変更されます。

つまり、これまでのアクティブサスのように衝撃が入力されてから、制御を変更させるのではなく、野生の動物にのように視覚で得られた情報をもとに、あらかじめサスペンションの制御を変更しているわけです。

このような高速かつ柔軟なサスペンション制御ができるようになったのは、コンピューターの演算速度の向上と、カメラの画像解析技術を始めとするセンサー技術と、油圧を制御するアクチュエーターの大幅な進化によるものです。

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シトロエンのハイドロニューマチック・サスペンション

シトロエンに搭載されている「ハイドロニューマチック」というサスペンションは、当初、高速域では「魔法のじゅうたん」と言われ、ボディをフラットに保つ気持ちのいいサスペンションでしたが、低速域ではバタンバタンと周期の短い衝撃を拾い、癖の強いサスペンションでもありました。

ところがこれが「ハイドラクティブ2」から、「ハイドラクティブ3」へと進化するとともに「アクティブサスペンション技術」と組み合わされ、低速域から高速域まで常にボディをフラットに保つ、本当の意味での「魔法のじゅうたん」へと進化しています。

このシトロエンの「ハイドラクティブ」サスペンションは、現在、シトロエンC5に搭載されるのみになり、今後は廃止されることが決まっていますが、これは普通のバネサスのみになるという訳ではなく、新時代に合わせた新しいサスペンション方式にバトンタッチされる予定です。

SUVにも使われるアクティブサス

もう一つ、アクティブサスペンションが有効的に使われている分野が、パジェロやランドクルーザー、レンジローバーなどのSUVです。

SUVは車高が高いため、高速走行時は不安定になりがちですが、アクティブサスを使うことで、車高を数センチ下げることで安定感のある走行が可能になります。

また、悪路などの轍の深い場所に入れば、アクティブサスを使ってサスストロークをたっぷりと増やしてやり、SUVならではの高い悪路走破性を発揮させることができます。また、荷物の出し入れや、乗員の乗り降りの際は車高を限界まで下げることで、快適に乗り降りや荷物の積み降ろしができるようになります。

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

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