新型フィアット500【試乗評価】大人の鑑賞に堪えうるレトロなかわいさ [ABA-31209]


フィアット500ツインエアのイメージ

今回の【試乗評価】は「新型 フィアット 500 Twin Air Pop」。
2007年にフルモデルチェンジした(日本市場への導入は2008年)、コンパクトなハッチバック(3ドア)です。

この他に電動ソフトトップを持つ「500C」や、アバルトによるチューンが施されたホットバージョン「アバルト595」もあります。

初代フィアット500は、当時のフィアット社主、ジャンニ・アリエッリが「大衆のための小型車を開発する」というコンセプトのもと作らせた2人乗りのコンパクトカー。安価で高性能という事もあり、当時のフィアットを大いに潤わせました。

2代目フィアット500は、その初代のコンセプトを受け継ぎつつも、全く新しいシャシーとエンジンが与えられた大衆向けの超コンパクトカー。戦後不況に苦しむイタリア経済をふまえ、初代よりもさらに買いやすい価格が設定されています。日本では「ルパン三世」の愛車としても知名度が高く、未だにマニアックな人気を維持しています。

今回の3代目フィアット500は、その初代のコンセプトを現代的に翻訳し直したコンパクトカー。2代目の発売から50年を経た2007年に発売され、基本となるプラットフォームには、欧州フォードと共同開発した小型車用FFプラットフォーム(基本骨格)を採用。フォードKa(2代目)とは兄弟車の関係にあります。RRレイアウトであった2代目とは、まったく異なる成り立ちの車です。

「フィアット 500 Twin Air Pop」に搭載されるエンジンは、0.9Lのシングルカムターボ「ツインエア」。トランスミッションには、シングルクラッチ・トランスミッション「デュアロジック」を採用。

モデル名の「500」は、「ごひゃく」ではなくイタリア語読みの「チンクチェント」が正式な呼称。オーナー達からは愛情を込めて「チンク」と呼ばれることも多いです。

2016年にマイナーチェンジを実施。内外装のブラッシュアップの他に見えない部分にもしっかりと手が加えられ、足回りやエンジンなど、改良された部品数は1900箇所以上にも及びます。

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「新型 フィアット 500 Twin Air Pop」の外観

ボディサイズ:全長3570mmX全幅1625mmX全高1515mm。ホイールベース:2300mm。

先代フィアット500のデザインを、現代的に翻訳し直したレトロ調デザインがキュート。

こういった手法は、VWビートルやBMWミニでも使われるおなじみの手法ですが、なんといっても失敗しにくいというのがメーカーにとっては嬉しいポイントです。この「フィアット500(3代目)」も発売から10年以上が経過していますが、いまだに高い人気を維持しています。

フロント

フィアット500ツインエアのフロント

ふんわりとした曲線で構成されたフロントノーズに、丸型ヘッドライト。上質なクロームメッキがふんだんに散りばめられ、クラシカルでかわいらしい表情をみせます。

マイナーチェンジによってヘッドライトは全車プロジェクター式に、LEDデイライトも装備され他車からの視認性が向上。「Lounge」のフロント・エアインテイクは、ドットパターン(クロムメッキ)を散りばめた新形状ですが、「Pop」はブラックアウトされたシンプルな形状です。

サイド

ルーフトップを頂点としたトライアングル形状に、ふくよかなボディパネル。前後ギリギリに切り詰められたオーバーハング(タイヤからボディ端までの長さ)。短いホイールベース(前後タイヤ間の長さ)とコンパクトなボディが組み合わされ、キビキビとした軽快感を表現しています。

リア

フィアット500ツインエアのリア

力強く大地を踏みしめるリアフェンダー。小さく絞り込まれたキャビン。ふくよかなヒップラインに台形型のリアコンビランプ。力強い安定感を感じさせつつも、キュートな後ろ姿を形作っていいます。

マイナーチェンジによってリアコンビランプを一新。レンズ中央がボディ同色となりました。

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内装

フィアット500ツインエアの内装

ボディ同色パネルを活かした明るくポップな内装。外観と同じく、2代目フィアット500をイメージしたクラシックなデザインが楽しいです。

メーターナセルには、クラシックな大型一眼メーターを装備。速度と回転数を同軸で表示します。中央には丸型のインフォメーションディスプレイが装備され、距離計や時計、ガソリン残量などを表示。デザイン重視のデザインですが、使い勝手に問題はありません。

センターコンソール最上段には、5インチ・タッチスクリーンを装備。エアコンは大きなボタンを使ったプッシュ式。ATはインパネシフトですが、手前にせり出しているため操作性に問題はありません。

Bluetoothでスマホと接続すれば、ハンズフリー通話も可能。ケーブル接続なら、スマホ内の音楽も流せます。

助手席のグローブボックスは蓋付きとなり、プライバシー機能を強化。4人分のドリンクホルダーなど小物入れも充実しています。

シート

フィアット500ツインエアのシート

マイナーチェンジによってシートの柄が変更され、おしゃれな雰囲気を強めています。

フロントシートは丸みのある可愛らしいデザイン。パイピング処理によって、クラシックな上質感を演出しています。柔らかでコシのあるクッションに柔軟な表皮が組み合わされ、座り心地も上々。少し体が沈んだところで体圧を均等に分散してくれるため、疲れにくいです。

リアシートは背もたれの高さが足りず、形も平板。頭上空間も窮屈です。ただし、座面の前後長は十分で、表皮に柔軟性があるため、中距離(30km)程度の移動なら問題ありません。

荷室

ボディのトライアングル形状を活かして、必要最小限の荷室スペースを確保。家族4人であれば、1泊旅行くらいは余裕です。

静粛性

マイナーチェンジによって多少静かにはなったものの、依然としてエンジンノイズは大きめ。といっても「パタパタ」とした温かみのある音なので、不快ではありません。

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エンジンとミッション

0.9L・直列2気筒SOHCターボエンジンに、5速AT(デュアロジック)が組み合わされます。
エンジンは、最高出力85ps/5500rpm、最大トルク14.8kgf・m/1900rpmを発揮。
JC08モード燃費、24.0km/l。車両重量、1010kg。

エンジン

875ccのツインエアエンジンで前輪を駆動(FF)。排気量は小さいですが、ダウンサイジングターボによって実際のパワー感は1.5L並。グレードの序列としても、1.2ポップの上位にあります。

アクセルに対する反応も良く、高回転までしっかりと吹け上がります。低速ではパタパタと独特のエンジン音を発生しますが、古き良き時代を感じさせる音色でフィアット500のキャラクターにはピッタリです。

欧州を中心に流行しているダウンサイジングターボですが、このサイズのエンジンに2気筒エンジンが採用される例はほとんどありません。ただし、エンジンの排気量と気筒数の理想的な関係は、1気筒あたり500ccといわれます。そういった意味ではごく真っ当なエンジンです。

トランスミッション

マニュアル・トランスミッション機構をベースに、コンピュータによる自動変速装置を組み合わせた5速AT(デュアロジック)を装備。

シングルクラッチによる2ペダルシフトで、発進時には若干のギクシャク感を生じますが一旦走り出せば比較的スムーズ。今回のマイナーチェンジによって変速スピードと滑らかさが向上しており、さらに扱いやすくなりました。

マニュアル・トランスミッションをベースにしているため、CVTやトルコン式では味わえない小気味いいダイレクト感があります。しかも、構造が簡単で軽量コンパクト。多少のギクシャク感を我慢すれば、理想的なトランスミッションです。

スポーティな走りを楽しみたい時は、マニュアルモードがオススメ。快活なエンジンと相まって、キビキビとした走りが楽しめます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にトーションビーム式サスペンションを装備。前後ともにスタビライザーで強化。

足回り

装着タイヤは、175/65R14。

乗り心地はマルドかつしなやか。マイナーチェンジによって若干引き締まった印象です

大きな段差や路面のうねりでは、ピョコピョコと跳ねるような動きをみせますが、鋭い衝撃を車内に伝えることはありません。終始穏やかな乗り味を維持しています。

短いホイールベースの割に高速域での安定性は高く、フラットな姿勢でまっすぐに直進。わだちや横風でステアリングを取られることもありません。

ハンドリング

すべらかな手応えを伴った自然なステアリングフィール。マイナーチェンジによって軽快感が向上。ドライバーの操舵に応じて、機敏にノーズの向きを変えます。

リアの接地性も高く、フロントの動きに追従して粘りのある操舵感を演出。コーナリング中も姿勢を乱しません。

最小回転半径、4.7mと小さめ。コンパクトなボディと相まって、狭い路地でも簡単に切り返すことができます。

【試乗評価】のまとめ

「フィアット 500 Twin Air Pop」は、名車「フィアット500(2代目)」を現代的に翻訳し直したコンパクトな3ドア・ハッチバック。内外装には2代目のエッセンスがふんだんに散りばめられていますが、基本的な構造は2代目のRR(リアエンジン・リアドライブ)と異なり、一般的なFF(フロントエンジン・フロントドライブ)を採用しています。

キュートなボディスタイルを実現するため、室内空間は若干制限されますが、大人二人と子供二人なら問題はありません。もっと広い車が欲しいという人には、同じプラットフォームを使った実用車「フィアット・パンダ」がオススメです。

「Twin Air 」には快活なツインエアエンジンと、ダイレクト感あふれる「デュアロジック」トランスミッションを装備。必要十分以上のパワーで、この小さなボディを軽快に走らせます。ただし、ツインエアエンジンは、現代の車としては少々ノイズが大きめ(といっても「パタパタ」とした温かみのある音色で、好きな人には堪らないものがあります)。シングルクラッチ「デュアロジック」にも独特のクセがありますので、気になる人は試乗してからの購入がオススメです。

フィアット500のスタイリングは好きだけど、エンジンやトランスミッションが気に入らないという場合は、ベーシックな1.2Lモデルを選んだ方が無難でしょう。

「おしゃれな欧州車を探しているが、ゴルフやポロでは面白くない」とか、「コンパクトカーでもスポーティな走りを楽しみたい」なんて人にピッタリな車です。

中古車市場では

2017年式「フィアット 500 Twin Air Pop」で200万円前後。2014年式で100万円台前半(2018年6月現在)。

新車価格

2,322,000円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時にかけてを予定しています。

寒い部屋で冷たい椅子に座って一年中キーボードを叩いているのが原因で「切れ痔」に!辛いです。(2018年6月)

現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)