新型 トヨタ プリウス Sツーリング セレクション【試乗評価】燃費と共に、走りの質感も向上! [DAA-ZVW50-AHXEB(T)]

今回は「新型 トヨタ プリウス Sツーリング セレクション」を試乗レポートいたします。
このプリウスは、2015年のモデルチェンジで4代目となりました。

トヨタプリウス前面画像

未来の車というイメージの強いプリウスですが、実は初代が登場してから20年近くが経過しています。

前回のモデルチェンジでは、同じようなスタイリングで価格の安い「ホンダインサイト」が先行して発売され、慌てたトヨタはプリウスの価格を少し引き下げて発売しました。
その影響もあって先代の3代目プリウスには、各所に強引なコストダウンの影響が見て取れます。

それに加えて燃費性能を向上するための軽量化も行われており、結果的に乗り心地やドライビングフィールに安っぽいバランスの悪さが散見されます。

今回の4代目プリウスでは、燃費の向上はもとより、ドライブフィールや乗り心地といった部分までしっかりと手が加えられ、先代の欠点がしっかりと潰されています。

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外観

全長4540mmX全幅1760mmX全高1470mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2550mmとなります。

初めてこのプリウスを写真で見た時、その奇抜なフロントマスクにギョッとしてしまいました。しかし、実際に見てみるとボディーカラーのせいもあって、それほど違和感は感じられません。

トヨタプリウス側面画像

サイドビューは全高が少し下げられており、ワイドアンドローでスポーティなフォルムです。実際の重心も低くなっており、路面に吸い付くようなスポーティな身のこなしを見せます。

トヨタプリウス後部画像

リア周りは、縦型のコンビランプが新鮮でかっこいいデザインです。少し、リア周りのプロポーションに「ミライ」との類似性が感じられます。

全体の印象は、プリウスらしい「ワンモーションフォルム」が守られており、スポーティで未来的なスタイルに仕上げられています。

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内装

内装の質感はそれほど高くはありませんが、プラスチックの素材感を生かした未来感漂う明るく清潔なデザインです。

トヨタプリウスステアリング画像 トヨタプリウス内装画像

メーター類は、インパネ上部中央にレイアウトされたセンターメーターで、大きさも小ぶりです。そのため、高齢者の方には少し見づらいかもしれません。ただ、視線の移動が少なくて済むため、疲労を軽減する効果が期待できます。

トヨタプリウスナビ画像

ボディが低重心化されており、それに伴ってシートの着座位置も低くなっています。ただ、その分ボディ開口部の全高が高くなっており、乗り降りがしづらいということはありません。

前席シートは先代よりも質感が向上しており、硬さとコシのあるしっかりした乗り心地です。体圧が腰回りに集中することも無いので、長距離の移動でも快適です。

後席のシートは、ややクッションが薄いものの、座面とシートバックの形状、大きさともに適正で問題はありません。座面にはわずかな傾斜が付けられており、長時間座っていても疲れません。

トランクルームには、しっかりとした奥行きがあり、2泊3日程度の家族旅行であれば十分こなせます。また、後席のシートバックを倒すことで、さらにトランクルームの大きさを広げることが可能です。

内装については、下の記事でもさらに深く掘り下げて解説してます↓

4代目プリウスの内装チェック

トヨタ・プリウス(4代目)の内装を細かくチェック!【インテリア紹介】

2019年6月28日
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エンジンとミッション

1500cc直列4気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVTが組み合わされます。
エンジンは、98ps/5200rpmの最高出力と、14.5kgf・m/3600rpmの最大トルクを発揮します。
また電気モーターは、72psの最高出力と、16.6kgf・mの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、37.2km/lとなります。

電気モーターのおかげで低速から力強いトルクが立ち上がり、日常的な街中の使用であれば力不足を感じることはありません。前のモデルよりパワーに余裕があり、あらゆるシーンで使い勝手が向上しています。
合流や坂道でも1370kgのボディを軽快に加速させます。

EV走行時はもとより、エンジン作動時であっても遮音性が高いため車内は静かです。エンジンと電気モーターの制御がスムーズで違和感がなく、普通のガソリンエンジン車から乗り換えても戸惑うような事はありません。

足回りとハンドリング

前輪にストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
前後ともにスタビライザーで強化されています。

先代よりステアリングインフォメーションが豊富で、舵の効き方にも違和感はありません。
ボディが低重心化されたこともあって、自然で気持ちのいいステアリングフィールを持ちます。コーナーの続くワインディングを、路面に吸い付くミズスマシのように走り抜けます。

路面の段差を通過する際も、無駄に車体が揺すられるようなこともなく、一度でしっかりと衝撃を収束させます。
衝撃の質自体も角の丸まったしなやかなもので、嫌な不快感を伴いません。

溶接スポットの数が増やされており、ボディにはしっかりとした剛性感が感じられます。また回生ブレーキの効き方も改善され自然で違和感の少ないフィールです。

今回のモデルチェンジでは、「欧州車のライバル達とも互角に戦える質感を持たせたい」という目的のもと、格段にドライブフィールが格段に向上しています。

評価のまとめ

欧州ではディーゼルが主体で、複雑でコストのかかるハイブリッドシステムに対しては、少し冷ややかな目で見られる傾向がありました。確かに高速主体のアウトバーンのような環境では、ハイブリッドよりもディーゼルエンジンの方が効率が良いのは事実です。

また、従来のプリウスでは燃費性能を重視するあまり、走りの質感に無頓着な部分もありました。特に、欧州で人気のゴルフやポロといったドイツ車は、少し上級の日本車でも太刀打ちできないような高いドライバビリティと質感を持っています。

そこで今回のプリウスでは、ドライバビリティとさらなる燃費向上という相反する難しい二つの課題を設け、これを見事に両立させています。

今まで、「プリウスは燃費はいいけど、走りが安っぽくてどうも買う気にならない」と思っていた人にこそオススメしたい一台です。

価格

価格 | 2,628,327円(税込み)

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クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)