新型 スバル BRZ S【試乗評価】待望の国産FRクーペ [DBA-ZC6]

今回は「新型 スバル BRZ S」を試乗レポートいたします。
BRZは、2010年に登場したブランニューモデルです。

以前からファンの間では、「スバルのボクサーエンジンとFRシャーシーを組み合わせたスポーツカーがあればどんなに素晴らしいか」という事は幾度となく語られていました。
しかし所帯の小さいスバルでは、利幅の薄いスポーツカーにそこまでの投資をする余裕はありません、

ところが、トヨタとの提携が決まると、あれよあれよという間にこの夢のようなプロジェクトが実現してしまったのです。

スバルBRZ前面画像

スポンサーリンク

外観

全長4240mmX全幅1775mmX全高1320mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2570mmとなります。

2ドアクーペのFRシャーシーに、全高の低い水平対向エンジンが搭載され、古典的文法に乗っ取った美しいFRルックです。
しかし古典的であるがゆえに、なにかこの時代ならではの新しい提案があるわけではなく、そこはちょっと惜しい点です。
現在ではこの種の安価なスポーツカーは、日本市場ではほとんど見られず、とても稀少な存在です。

フロントフェイスは、現在トヨタが押し進めている「キーンルック」の系統ですが、バンパー周りにはスバル独自のカクカクとした、メカニカルなデザインが取り入れられ、86とはまた違ったBRZならではの魅力を作り出す事に成功しています。

サイドビューは、ショートオーバーハングと、どっしりとしたリアフェンダーが特徴的な、力強くスポーティなデザインが与えられています。

リアビューは、この大きく張り出したりあフェンダーのおかげもあい、大地をがっしりと掴んで今にも走り出しそうです。
ただ惜しいのは、リアコンビランプの造形が少しちぐはぐで、ちょっと間隔も離れすぎているので間延びした印象を受けてしまいます。

このBRZは明解な造形のスタイルを与えられており、黒よりもブルーメタリックや白、イエロー等の明るい色が似合います。

スバルBRZ後部画像
スポンサーリンク

内装

高級感はありませんが、見れば見る程好きになってくる不思議なデザインです。メーターフードのカウルと、ダッシュボード中央のカーブが絶妙なリズム感を生み出しています。そっけないデザインが逆にシンプルで好ましいと思います。特別仕様車では、ダッシュボードにアルカンターラを貼付けた仕様もありましたので、質感が気になる人はそういったモデルを待ったほうがいいかもしれません。

シートはサイドサポートの強いスポーツタイプのシートです。サイズは適正ですが、ゆったりした余裕はありません。クッションの硬さやコシは適正で、スポーツドライビングにピッタリなシートです。

リアシートも装備されますが、あくまでも2+2といった考えで作られた緊急用のシートです。普段は荷物置き場として使うのが最適です。

トランクルームは深さと奥行きがあり、2人の小旅行であれば問題なく荷物を積み込むことが出来ます。

スポンサーリンク

エンジンとミッション

2000cc水平対向4気筒DOHCエンジンと、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、200ps/7000rpmの最高出力と、20.9kgf・m/6400-6600rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、12.4km/lとなります。

200馬力の自然吸気エンジンで、スポーツユニットとしてはそれほど数値的に飛び抜けたものはありません。
ただ実際に回してみると低速からトルクがあり、高回転まで気持ちよく回る扱いやすいエンジンです。特に高回転を保ってシフトしてやれば、1230kgのボディをスポーティに走らせる事が可能です。

また、エンジンサウンドは官能的に調律されており、排気音よりもメカニカルな音が印象的な、上質かつ猛々しいサウンドを味わえます。

組み合わされるアイシン製のマニュアルギアボックスは、スバルらしい味付けがされており違和感はありません。フィール自体も剛性感のある味わい深いものです。

足回りとハンドリング

前輪にストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。

乗用車としては異例に低い最低地上高と、低重心にレイアウトされたボクサーエンジンの相乗効果で、路面に吸い付くように走ります。S字が続く様なコースですとこの車の特性を存分に味わうことがでます。ステアリングはリニアで自然な操舵感で、意のままにコーナーの続くワインディングを走り抜けます。

硬めに引き締められた足回りながら、路面からの当たりは適度にいなされ、鋭く尖った衝撃が車内に進入してくる事はありません。
適度な剛性感を伴った、スムーズかつしなやかな足回りのセッティングです。

その他

86にも試乗したことがあるのですが、あちらは少しやんちゃなセッティングだったような気がします。しかし、その違いは「気のせいだよ」と言われてしまえば「そうかな?」というくらい僅かなものです。

評価のまとめ

日本市場からしばらく姿を消していた、安価な2ドアスポーツクーペが復活し、喜んでいるのはスバルファンだけではないでしょう。
今、国産でライバルといえば、マツダロードスターくらいですが、あちらは厳密にいえば「2ドアオープンスポーツ」でジャンルが少し違います。

ただ、あえれ比べてみるとBRZはより安定性が高く、ロードスターは低速でトコトコ走っているだけでも走りの楽しさに溢れています。ただ、これはどちらが優れているという類いのモノではないので、それぞれの好みに応じて好きな方を選べば間違いありません。

価格

価格 | 2,926,800円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)